厚労省「対応は適切だった」 2人の死亡のクルーズ船対応で
クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」の乗客だった80代の男女の死亡が確認された。高齢者を長期にわたって船内に留めた判断は正しかったのか。厚生労働省は20日の会見で、「感染拡大させないための対策を講じている」「(2人についても)しっかりやらせていただいた」などと説明した。
国立感染症研究所によると、新型コロナウイルスは、高齢者など免疫が弱い人ほど感染しやすい。また、厚生労働省によると、男性は狭心症歴があるなど基礎疾患があったという。会見では同省も「高齢者の方々、疾患を持つ方々は脆弱(ぜいじゃく)な状況にある」「相対的に健康リスクを抱える方がおられるのはその通り」と認めた。 一方、クルーズ船内で感染者が確認され、健康観察を始めた2月5日以降、乗船者を船に留め置いたことに対し、専門家や海外メディアからは対応の不備を指摘する声もある。 厚労省は「感染拡大の防止策を講じながら、一定の感染制御を、隔離を含めて行いました。私どもは症状の変化を逐一(ちくいち)把握するように努めましたし、このお二方の事例は、発熱から速やかに、(陽性・陰性の)検査結果を待たずして医療機関に搬送したおります。そういう意味の対応について、基本的にしっかりやらせていただいたと理解しています」と説明した。 さらに、「お二方は非常に残念なことにお亡くなりになったが、クルーズ船をこういう形で係留していただいて、関係者の協力を得て(救急医療が)必要な方については確実に搬送するというオペレーションはやってきた。その点については、私どもとしては適切にやってきたという風に理解しております」と話した。