12月“お宝”株主優待は早めに! 実質利回り5%でQUOカードも 約250銘柄保有する“優待弁護士”に聞く
京都北白川ラーメン魁力屋を全国展開する魁力屋(5891)も、100株以上で1000円分の電子チケット(食事券)が12月と6月の年2回もらえる。加盟店で買い物ができるQUOカードや商品券も根強い人気があるという。 「5万円台の少額投資で1000円分のQUOカードがもらえるインテリアや設計デザインを行うドラフト(5070)や、電子機器の製造受託で国内最大手のシークス(7613)は、100株保有で1000円分のギフトカード(カード会社発行)が受け取れて、QUOカードが利用できない家電量販店やスーパーやデパートで買い物することができます」 ■購入するタイミングに注意 クリスマスや年末年始を迎えるこれからの時期は、ケーキなどのスイーツの需要が増す。老舗洋菓子メーカーの不二家(2211)は、100株保有でお店で使える3000円分(500円券6枚)の優待券がもらえる。 優待プラス配当金がつく高配当銘柄もおすすめという。フルサト・マルカホールディングス(7128)は、100株を3年未満の保有で500円分のQUOカードがもらえるうえ、1株あたり107円(24年12月期)の配当金が出る。22万6600円で100株購入したとすると、実質的に約5%の配当+株主優待利回りを得られる計算になる。 初心者が注意する点はいくつかある。 ひとつは購入するタイミング。優待株は権利確定日に近づくにつれて株価が上昇し、割高になる傾向がある。 「買うのであれば余裕をもって1~2カ月前の安いタイミングで買うようにしたほうがいいでしょう。また、権利確定日以降は優待目当ての投資家が売却するので株価は下落し、自分の株が買った時よりもマイナスになることがあります。しかし、優待株の投資は長期保有が前提なので、日々の株価に一喜一憂することなく、長期スパンで投資を楽しむようにしましょう」
ただし、長期保有だからと言って、ほったらかし、というわけにはいかない。株主優待は会社の都合で簡単に廃止されたり新設されたりするので、企業のホームページの「IR情報」をこまめにチェックすること。また、株価の動きがまったくわからないと優待株を買うタイミングが計れないので、「株価チャート」は理解したほうがいいという。 ■日常生活の範囲内で使えるものか 「株価チャートが読めれば、上昇トレンドなのか下降トレンドなのかくらいはわかるようになり、今が買い時かどうかの判断がつきます。そして大事なのは、優待が自分の日常生活の範囲内で使えるものかどうか確認すること。例えば、飲食店の食事券を購入しても身近な場所にそのお店がなく、使うことができなければ無駄になってしまいます」 食事券や優待券は使用期限が設けられているケースがあるのでチェックするように。 株式投資は自己責任で行うものなので、心から自分が応援したいと思える企業の株を探してみてはどうだろうか。 (構成・村田くみ) 澤井康生(さわい・やすお)/秋法律事務所パートナー弁護士。早稲田大学政治経済学部卒業後、警察官僚、警視庁刑事を経て2003年に旧司法試験に合格。弁護士活動の傍ら、早稲田大学大学院でファイナンスMBA(経営学修士)も取得。もともとは国内不動産投資信託(J-REIT)専門の投資家だったが、株主優待の魅力にハマる。優待株だけでも現在約250銘柄を保有。楽天証券「トウシル」連載中。現在、同大学院法学研究科博士後期課程に在学し刑事法を専攻。東京都出身。
村田くみ