【インタビュー】「民主党は労働者の党に戻れ...」サンダースがハリスに示す勝利への道筋
サンダースがハリス陣営に警鐘「経済問題を見逃すな」
これまで私は、バイデン政権の国内政策の多くを支持してきた。インフラの再建や気候変動対策としてのエネルギーシステム変革への投資、製薬業界との薬価引き下げ交渉など、彼らは国内で多くの優れた取り組みを行ってきた。だがガザの問題については、バイデン政権の対応は間違いだと思う。 それでも私は、有権者にはこう言いたい。これからもバイデン政権の、そしてハリスの姿勢を変えさせる努力を続けていこう。このひどい戦争が続いている限り、アメリカはイスラエルの極右ネタニヤフ政権に対する一切の支援を行ってはいけない。そういう圧力を、政府にかけ続けようじゃないか。 しかし、だからといって今度の大統領選でハリスに一票を投じないというのは大間違いだ。 そもそも共和党には、飢えに苦しむガザの子供たちに人道支援を行うつもりもない。もしもトランプが政権を握ったら、あそこの状況は今よりも悪化するだろう。 ──あなたはハリスが大統領になれるよう尽力していると言いつつも、まだ正式に彼女への支持を表明してはいない。その理由は? いわゆる正式な支持表明というのは、メディアが気にしていることにすぎない。私は常に、ハリスが大統領に選ばれるよう全力を尽くしている。そのために全国を駆け回っている。(激戦州の)ウィスコンシンにも行った。そして彼女と彼女のチームが、なによりも経済問題の重要性を理解してくれるよう願っている。 人工妊娠中絶の問題も気候変動の問題も、確かにとても重要だ。だが目前に迫る大統領選で勝ちたければ、いまアメリカの人々を苦しめている経済の問題を前面に押し出して訴えるべきだ。それが一番だ。 ──投票日まであと2カ月、決戦に臨むハリス陣営に忠告しておきたいことはあるか。 思うに、アメリカ国民は今の経済システムに強い怒りを抱いている。なにしろたった3人の大富豪が、国民の下から半分よりも多くの富を手にしているのだから。上の人間はすごく甘い汁を吸い、働く人たちはすごく苦しい思いをしている。ここのところを突いてほしい。 大金持ちが巨額の政治献金をして、お気に入りの候補を当選させ、嫌いな候補は落選させる。こんな政治のシステムにはみんなうんざりしている。共和党系も民主党系も無党派層も、みんなそうだ。 だから、まあハリスへの忠告ということで言わせてもらえば、この国の人たちの現在地から決して目をそらすなということだ。商業メディアの言うことなど気にするな。評論家や大口献金者の言うことなど、気にしちゃいけない。
ジェイソン・レモン