おにぎりとスープで子供にトップアスリート並の食事を! オリンピック選手をサポートした栄養士が考案
子どもの個々の悩みに答えるときは具体的に
スポーツキッズといっても個々の状況はさまざまだと思いますが、どんな相談がありますか。 「アスリートは体質だけでなく、競技やポジションによっても食事ケアが変わります。お子さんはそこまでではなくとも、身長を伸ばしたい、集中力をつけたい、持久力をつけたいなどスポーツキッズならではの悩みがあります」と心と体の成長スピードに差が出やすいといいます。 そんな悩みにはどのようにアドバイスされるのでしょうか。 「体質や性格にもよりますが、身長を伸ばしたい場合は、脂溶性ビタミンやミネラルとともに良質なたんぱく質とたっぷりの睡眠が必要です。集中力をつけたいときは、急激な血糖値の上昇と下降によるだるさ、眠気を防ぐため、ゆるやかに血糖値を上げる食品を選んでほしい。持久力はスタミナ切れを防ぐ炭水化物とビタミンB1の摂取を進めています」具体的な食材とともに簡潔に答えるようにしているといいます。 一方でもっと根本的な悩みである偏食も多いとのこと、解決方法はありますか。 「苦手な食材を無理矢理食べさせることはできません」と拒否反応を起こしかねないことを指摘し、無理強いするよりも「苦手な食材と同じ栄養素を含む代替食品を探します」とアドバイス。その方法は、例えばにんじんが苦手な場合は糖質、β-カロテン、ビタミンCが多いので、それらを有する食品を探すとかぼちゃが見つかります。「お子さんが食べられる食品に替えるほうが現実的で楽しく食べられます。しかも栄養素の勉強にもつながります」
今日からはじめられる食トレ
栄養素の勉強からはじめるのは大変ですが、難しいことはおいておき、身近な食材をおにぎりやスープにすることで意外と簡単に必要な栄養が摂れます。 「食事に関心を持つこともトレーニングのひとつです。体作りの一貫として、お子さんと一緒に少しずつ食材や食べ方を知っていただけたらうれしいです。知識が増えると毎日の食事を自然と意識するようになり、継続につながります。なにはともあれ食事は継続が大切なんです!」 オリンピックイヤーのこの夏から、小さなアスリートと保護者を応援する川端さんのアドバイス満載レシピで、食事トレーニングをはじめてみませんか。 *** 川端理香 管理栄養士。元日本オリンピック委員会強化スタッフ。日本代表チームやJリーグ、プロ野球、バレーボール、ゴルフ、テニス、ラグビーなどの多くのプロチームや選手をサポート。著書に『10代スポーツ選手の栄養と食事』(大泉書店)、『ジュニアアスリートの栄養食事学』(ソーテック社)などがある。 [文]世界文化社 協力:世界文化社 世界文化社 Book Bang編集部 新潮社
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