おにぎりとスープで子供にトップアスリート並の食事を! オリンピック選手をサポートした栄養士が考案
スポーツや勉強に励む子どものためにバランスのよい食事をさせたい。けれども、忙しくてなかなか難しい。そう思っている親御さんは多いのではないでしょうか? 日本オリンピック委員会強化スタッフとして選手をサポートした実績がある管理栄養士の川端理香さん。 スポーツをがんばるお子さんをあらゆる面で応援したい! という保護者の気持ちを受け、アスリート向けの食事指導をベースとしながらも、忙しい毎日でも続けられるシンプルなものを紹介できたらと常々考えていたそうです。 「食事は毎日のこと。1日だけがんばるよりも、理想に近い栄養を継続的に摂取することが大切です。だからこそできるだけ手間をかけずに作れるレシピが必要です」 そんな思いから生まれたのが川端さんのレシピ集『スポーツや勉強をがんばる子どもの 強い体を作る! スープとおにぎり』(世界文化社)です。
スープとおにぎりで食事の基本栄養素を摂ることができる
スープとおにぎりで栄養が摂れるとは、本当でしょうか? 「もちろんスポーツをすれば消費したエネルギーと同等の食事が必要になりますし、成長とともに必要な栄養素の量が増えます」 食事量は年齢や体格、エネルギーの消費量によって変わることを大前提とし、「食事のベースとなる汁ものと主食でも子どもが基本的に必要とする栄養素が摂れます」 3食すべてをスープとおにぎりにするということではなく、「忙しいなかで朝食や昼食、補食をスープとおにぎりにすることで、献立に悩んだり、調理に時間をかけたりしなくてもいいんです」と川端さん。
スープとおにぎりにはスポーツキッズにうれしいことが満載
実はスープとおにぎりはスポーツキッズにとっていいこと尽くめ。 まずはスープについて。 「夏はこまめな水分補給はもちろん、発汗で失われる塩分、ミネラルの摂取が重要です。スープにはそのすべてが含まれており、経口補水液やスポーツドリンクと同じ効果が期待できます」。具材が豊富なスープを取ることで、必要なものを摂取できるとのこと。また「とくに猛暑のなかでスポーツをするお子さんには、塩分を少し濃くするほか、ミネラル分の多い塩を選ぶこともおすすめ」 子どもの体の水分量は70~80%。大人が約60%ですからかなり多めです。例えば体重30kgの場合、21~24kgが水分(! )。ちなみに2%(体重30kgの場合600g)体重が落ちない水分補給が理想です。 「子どもは体温調整機能が未発達なうえ、ほかのことに集中すると水分補給がおろそかになりやすく脱水症状を起こしがち。大人以上にこまめに水分補給必要ですが、その点補食や食事としてスープを食べると自然と水分が取れます」と川端さんはスポーツキッズにこそスープを勧めます。 おにぎりはというと、どこでも片手で食べられるので練習や試合に出かけるときに大変重宝しますが、便利さだけでなくポテンシャルの高さにも注目です。 「アスリートの中にはおにぎりを『栄養補給のライスボール』と称して、練習後や試合の前後で補食として取り入れています」。その理由は「お米は消化がよく、エネルギーにしやすい糖分が豊富です。またそれ以外にも体作りに必要なたんぱく質や鉄、カルシウムなどのミネラル、そして栄養素の代謝に欠かせないビタミンも含まれています」 お米の可能性を説きながら一方で注意が必要だといいます。「これらの栄養素はお米だけ食べても吸収率がよくないので、私のレシピ集では具材の組み合わせを工夫して、おにぎりだけでも効率よく栄養が摂れるようにしました」。具材選びや組み合わせ次第で栄養の吸収が変わるのであれば、ぜひ知っておきたいですね。