勝ったら「ボコボコにされた」 南米スラムで“暗黙ルール”…現地にあふれる狡猾さ「Jはまだ甘い」【インタビュー】
パラグアイで南米「マリーシア」のプレーを身に着けたマリンボブ氏の衝撃エピソードの数々
パラグアイ、ボリビアでプロサッカー選手として、南米サッカーを経験したピン芸人がいる。吉本興業に所属するマリンボブ氏(本名:松本磨林)は、現役時代アウェーで壮絶な体験を繰り返す。その一部を今回、当時を懐かしむように話してくれた。(取材・文=FOOTBALL ZONE編集部・金子拳也) 【実際の映像】マリンボブの“南米サッカーあるある”「パラグアイで長年プレーしていた男が日本で審判をやったら」 ◇ ◇ ◇ 18歳で初めて渡った南米。元々GKだったマリンボブ氏は、監督の交代など紆余曲折ありつつフィールドプレーヤーへと転身する。パラグアイのオリンピアU-20で南米でのキャリアをスタートさせたマリンボブ氏は、同国4部ウマイタ・フットボール・クラブ、3部ヘネラル・カバジェーロ・デ・カンポグランデとチームを渡り歩いた。 オリンピアU-20時代には、チームの主軸選手が酒の勢いで傷害事件を起こしてしまったことも。まさに文化の違い……。そんなマリンボブ氏が約5年間いた国で身に着けたのは、俗に言う南米「マリーシア」のプレーだった。 「パラグアイでは、いい感じで相手の顔面殴るとか、身体を避けるふりして腕だけ残して顔面に当てるとか……。とにかく『何としても勝つ』という意識が高い。審判を見ながら、あっち向いているなと思った瞬間にヘディングする瞬間に肘を入れたりする。Jリーグとか見ていても、僕から言わせればまだ掴みは甘いですね。もっと掴まないと(苦笑)」 経験した4部は「アメフトみたいなサッカー」。芝はほとんどなく、「ドリブルできないくらいの環境」だった。3部は「少しだけドリブルができるようなグラウンド状況になりましたね」と、環境面で大きな差がある。そうしたリーグだからこそ「ファウルをもらってセットプレーから点を取る」のが主流。自然と空中戦の強さは身に着いた。次第にマリンボブ氏は、怪我も厭わない激しいプレーでチームの信頼を勝ち取っていく。だが危険な街も多いパラグアイのアウェー戦では、特殊ルールも存在したようだ。