【同級生対談】飯田遼(川崎)×杉浦佑成(横浜BC)「今季初の特別な一戦“神奈川ダービー”へ」
10月18日、19日に川崎市とどろきアリーナで行われる川崎ブレイブサンダースvs横浜ビー・コルセアーズを前に、川崎の飯田遼と横浜BCの杉浦佑成による対談が実現。両チームはBリーグ初年度の2016-17シーズンからB1に所属し、リーグ公式戦の通算対戦成績では川崎が34勝6敗と大きくリードする。ただ、2022-23シーズンのチャンピオンシップでは横浜BCが2連勝を飾り、翌シーズンの対戦も2勝2敗と星を分け合うなど、ライバルとしてしのぎを削ってきた。同い年の両選手だが、じっくりと話す機会は初とのこと。“神奈川ダービー”に向けてコート内外について語り合ってもらった。 インタビュー=酒井伸 写真=Bリーグ
◾️4年次のインカレ準決勝でマッチアップを経験
ーーお互いのことをいつ頃から知っていましたか? 飯田 大学の時です。僕がBチームの時は、試合で直接対戦することはありませんでしたが、試合に出ていた杉浦選手の存在を知っていました。 杉浦 最後のインカレでは準決勝で戦って、マッチアップしました。 ーーその準決勝では杉浦選手の所属する筑波大学が飯田選手の拓殖大学に73-70で勝利しました。 杉浦 鮮明に覚えていないですけど、たしかリーグ戦では拓大に勝てなかったんじゃないかな……。 飯田 そうそう。(※関東大学リーグでは拓殖大が2戦2勝) 杉浦 当時1年生の菅原暉(群馬クレインサンダーズ)がビッグショットを決めて、僕たちが勝ちました。アップセットを起こした試合だったと思っています。 飯田 僕たちはリーグ戦で2勝したのがビックリだったというか、「勝てたね」というような感じでした。筑波大は強いイメージがあり、チーム内でも「一発勝負の筑波大は怖い」と話していたら、そのとおりになってしまって。ずっと接戦の試合で、最後にやられてしまいました。 杉浦 僕たちには、一発勝負は強い雰囲気がありましたね。それは僕が1年生の時も2年生の時も、ずっと勝てなかった東海(大学)にインカレの決勝で勝って、一発勝負で結果を残していましたから。勝てる雰囲気はありました。 ーー当時はお互いのことをどのような選手だと見ていましたか? 飯田 大きくて、走れて、中でも外でもプレーできるイメージがすごく強かったです。1年生の頃から試合に出て、活躍していたので、同い年ながらすごいなと思っていました。 杉浦 飯田選手はチーム事情で、4番(パワーフォワード)ポジションでプレーしていたと思います。シュートがうまくて、自分に求められていることをこなす仕事人タイプでした。 ーー2人とも現所属チームに加入して2シーズン目に突入しました。加入前はチームについてどのような印象を抱いていたか聞かせてください。 飯田 伝統のあるチームで、川崎ブレイブサンダースと聞いたら、バスケットを知る人なら強いイメージを持っているのかなと。そう思ったままで、いいチームという印象がすごく強かったです。 杉浦 僕が加入する前のシーズンに初めてチャンピオンシップに出場して、ベスト4まで進んだこともあり、すごく勢いがありました。河村勇輝選手を中心に、アップテンポなスタイルで“イケイケ”でしたね。 ーー実際にそのチームに加入して、驚いたことは? 飯田 川崎のYouTubeを見ていたこともあって、みんなが賑やかなのかなとイメージしていましたけど、意外とすごく真面目というか。オンとオフのメリハリがしっかりしていると感じました。あとはベテラン選手が多く、よく考えて練習やトレーニングに取り組んでいる印象を受けました。 杉浦 加入前に話したことがあるのは(森井)健太だけでしたけど、若い選手が多いこともあってワイワイしていて。やる時はやりますけど、オフコートではお調子者な選手が多いです。 飯田 (笑) 杉浦 明るい選手が多い。だから川崎とは対照的かもしれない。落ち着いていないかな(笑)。 飯田 横浜BCは若いチームだよね? 杉浦 僕と健太が日本人で最年長だからかなり若いね。 飯田 全然違う。川崎では野﨑(零也)と同い年だけど、まだ若手~中堅の部類に入っちゃうから。立場も対照的だね。 ーー杉浦選手は日本人最年長選手として、コート内外で引っ張っていくタイプですか? 杉浦 僕よりは、健太が率先してやってくれますね。ただ、コート上ではみんなが自立しています。年齢が近いこともあって、健太を中心に意見を交換し合える環境が整っています。 ーー飯田選手は川崎が4チーム目、杉浦選手は横浜BCが5チーム目です。新しいチームに加入する際、適応する秘訣や苦労したことはありますか? 飯田 僕は最初の移籍が一番怖くて、本当に何もかもわからない状況でした。年齢も25歳でしたから。でも経験したら、移籍しないと得られないものもあったというか。同じチームで長くプレーする選手もすごいと思いますけど、自分が移籍して知らない土地に行けば、人間関係もイチからで、バスケットもイチから。適応力というか、そこでどのぐらい自分を出していいのかは少しずつわかるようになってきました。今はそこまで深く「これをやらなければダメ」というのはないですけど、最初は移籍するのに力を使うなと思いました 杉浦 どのチームもみんなが優しく、温かく迎え入れてくれたので、人間関係の部分で苦労した印象はなくて。ただ、引っ越しは大変だなと。プレー面でいろいろなことをできるわけではないので、まずシュートで、そこから自分の得意なことをアピールしようと考えています。ディフェンスのやり方がチームやヘッドコーチによって違うので、より考えながらプレーする必要があると思っています。 ーー引っ越しの際に苦労したことや家選びのこだわりを聞かせてください。 飯田 家を選ぶのは楽しいんですよ。いろいろな部屋を見られるので。ただ、僕が最初の頃に反省したのは、荷物を多くしてしまうと面倒臭いということ。山形(ワイヴァンズ)から香川(ファイブアローズ)に移籍する時、荷物をすごく減らしました。使わないものを捨てて、荷物をコンパクトにして引っ越したのは良かったです。家選びのこだわりはお風呂の大きさ。僕は湯船にしっかりと浸かりたいので。杉浦は何かある? 杉浦 僕はあまり選ぶのが好きじゃなくて。探す段階で「最高じゃん」と感じる家に出会ったことがない。でできるだけや安い家がいいし、できるだけ広い家がいいし、できるだけ新しい家がいい。そうすると、何かを妥協しなきゃいけなくなるけど、住んだらどの家もめっちゃいいやんって。住めば都とはよく言ったものだなと。