阪神・藤川監督 秋季Cのテーマは「没頭」 姿勢が見えない選手は鳴尾浜へ強制送還も辞さず
阪神の藤川球児監督(44)が31日、1日から始まる高知・安芸での秋季キャンプのテーマとして、「没頭」を掲げた。この日、参加メンバー39選手らとともに高知入りした指揮官。チーム宿舎で開いた全体ミーティングで選手たちにも伝えた。加えて、その姿勢が見えない選手は、残留練習が行われている鳴尾浜への強制送還も辞さない構えを示し、奮起を促した。 藤川監督は初めて指揮を執る秋季キャンプへ向け、決意新たに故郷・高知の地を踏みしめた。チーム宿舎到着後に開催した全体ミーティング。自らの口で選手たちに向けて今キャンプのテーマを伝えた。「没頭」。恵まれた環境のもと、一心不乱に練習に明け暮れる鍛錬の期間を過ごすことに、期待を寄せた。 「テーマは没頭。次の春まで、この期間というものをすごく大事と捉えてもらうには、3月まで見据えて没頭と。特に若い選手が周りが見えないくらいの集中力を持って。気が遠くなるぐらいの練習を、実は(トップ選手は)みんなやってて」 自身の経験も踏まえつつ、一流選手になるため、長く現役を続けるための“通過点”として「没頭キャンプ」の重要性を説いた。 「(過去の経験として自分は)雨が降って寒いけど自分の体から湯気が出てきて投げているとか。そういうのが(あって)実際のゲームで何千球と投げていくうちの一球、一球の精度が上がっていくというのはあった」。限界まで追い込んだ意義を身をもって知るからこそ、熱を帯びる。 だから「没頭」できない選手には厳しく接する。「うまく取り組めないような選手は、平田(2軍)監督も“いつでも帰してくれ”と。プロである以上、それ(強制送還)はあるかもしれない」。鳴尾浜への強制送還も辞さない構えだ。 「そのシーン(没頭できる瞬間)になる選手が一人でもいると、その選手は強くなると思いますけどね。自分も含めて没頭するというのをテーマにやる」 心身ともに強じんな選手、集団をつくるというミッションに、監督として没頭する秋になる。(遠藤 礼) ○…藤川監督はキャンプ期間中のオン、オフの切り替えも重要視した。「グラウンド上は必死で頑張って、夕食の時とかは明るく、リラックスして栄養取って。ゆっくり寝て。制限とか、何もないので。細かいこと、古くさいことを言うつもりはないから」。テーマ「没頭」を求めるグラウンドを離れた時間は一転、選手の自主性に任せ成長を促す方針。「自分たちでメリハリを付けられる子ばっかり」と選手への信頼も口にした。