「免許が新しく下りないのであれば…」24歳証券マンが「日本酒造り」で大成功した意外過ぎる方法【天領盃酒造買収劇2/4】
老後2000万円問題が叫ばれて久しい。しかし、生活水準を落としたくないのであれば「2000万円でも足りない」。政府の経済的支援を当てにすることもできない。現代日本ではサラリーマンであっても資産を形成することが求められている。そんな人は会社を買おう。もしあなたが一般的なサラリーマンならば、既に会社を経営するノウハウを自然と身に着けているのだ。 【漫画】「しすぎたらバカになるぞ」…性的虐待を受けた女性の「すべてが壊れた日」 本連載では、平凡なサラリーマンが会社を購入し成功した例を紹介しながら、具体的に「どうやって資本家として成功するのか」を『いますぐサラリーマンは300万円で小さな会社を買いなさい』(三戸政和著)から一部抜粋して紹介する。 『いますぐサラリーマンは300万円で小さな会社を買いなさい』連載第42回 『「お前は自分の国に誇りはないのか…」スイスで侮辱された日本人が取った驚きの行動【天領盃酒造買収劇1/4】 』より続く
財務内容が悪い会社を選んだ
日本酒業界は昭和末期をピークにずっと右肩下がりを続けていますが、売り上げが下がっているのは普通酒と言われるもので、特定名称酒だけを見ると、ほぼ横ばいだということがデータから読み取れます。 特定名称酒とは米の精米歩合、原料、造り方などの条件によって定められる日本酒で、吟醸酒、純米酒、本醸造酒がそれに当たります。私が苦手だったのは普通酒で、美味しいと思うお酒は、手間隙をかけて造る特定名称酒でした。 さらにデータを分析すると、特定名称酒のなかでも純米酒の売り上げは微増となっていて、いまのマーケットの主流になっているようでした。 こうして日本酒のことを調べていくうちに、自分で美味い日本酒を造りたいと思うようになりました。
日本酒を自分で一から作りたい
それも、どこかの酒造会社に就職するのではなく、自分で一から造った日本酒を持っていってスイスの仲間に飲ませたい。もともと独立志向があった私は、酒造会社を自分で作ろうと考えました。 しかし調べてみると、日本酒を製造するには国から発行される清酒製造免許が必要で、新規に取ることは非常に難しい。そうこうするうちに就活の時期になり、いったんは就職することに決め、証券会社に就職をしたわけです。 就職後も日本酒造りをしたいという熱は冷めず、いろんな人に日本酒を造りたいと話していました。 すると証券会社の仕事で知り合った方に、「免許が新しく下りないのであれば、免許を持っている酒造会社を買えばいいじゃないか」と言われ、M&Aという方法があることを知りました。 日本には1400ほどの酒造会社がある。これだけ会社があれば、業績がよくない会社や、後継者問題を抱えている会社があるだろうから、私が買うことも不可能ではないのかもしれないと思うようになりました。 それからM&Aできる可能性のある酒造会社を探し始めました。 はじめに売り上げが大きすぎず、利益が出ていない酒蔵を探そうと決めました。ちょうど、そのころM&Aマッチングサイトの存在を知り、探してみると、なんと売りに出ている酒造会社が15社も見つかったのです。驚きました。 そこから、ノンネームシートを見て、売り上げと経常利益を調べて、私の条件に当てはまるところを探し、5社と秘密保持契約を交わして、詳細情報を手に入れることができました。 さらにその5社のなかから、商品のラインナップが揃っておらず、財務内容が悪いところを探した結果、天領盃酒造が見つかったというわけです。 『「新幹線は必ずグリーン車」「接待交際費使い放題」…赤字企業に蔓延るヤバすぎる従業員【天領盃酒造買収劇3/4】 』に続く
三戸 政和(日本創生投資代表)