プアマンズポルシェの「914」が1億円以上の価値!? 理由は14台のみ生産された「914/6 GT」だったと聞けば納得です
オークションには少数のスペアパーツも付属
このオークションにおけるザイラー914/6 GTは、FIAホモロゲーション書類、ザイラーとエットミューラーの活躍を収めた多数の個人写真やレース結果、計時表、「ポルシェクラブGB」発行の真正証明書(保険用)などを含むドキュメント一式も引き渡されることになっており、さらに、1970年から1971年にかけてザイラーが獲得したトロフィーや、少数のスペアパーツも販売に含まれるとのことであった。 ボナムズ社は「シャシーナンバー0181は、おそらくこの希少で強力なポルシェの現存するなかでも最もオリジナルな1台であり、ヨーロッパのプライベーターGTレースの栄光の時代に活躍した魅力的な人物の手になる、魅惑的な実績があります」というPRフレーズとともに、90万ドル(邦貨換算約1億3800万円)~120万ドル(邦貨換算約1億8400万円)という、確たるレースヒストリーのあるポルシェ「レン・シュポルト」に相応しいエスティメート(推定落札価格)を設定していた。 ポルシェ本社スポーツ部門からコンプリート状態のレーシングカーとしてデリバリーされた914/6 GTが一般マーケットに出回る事例はきわめて少なく、また設定価格も昨今のポルシェ「レン・シュポルト」人気の市場では妥当かと思われたのだが、実際の競売では出品サイドの規定した「リザーヴ(最低落札価格)」には到達せず、残念ながら「流札」に終わってしまったようである。
武田公実(TAKEDA Hiromi)