21歳になった奥平大兼がこれまでの出演作とともに4年間の自身の成長を振り返る
2020年公開の映画『MOTHER マザー』で長澤まさみの息子役で衝撃デビューを果たした奥平大兼。初主演を務めた『君は放課後インソムニア』やミステリアスな生徒を演じた学園ドラマ「最高の教師」など、これまでの出演作を振り返ることで、自身の成長について語る【前篇】。 【画像】奥平大兼さんの撮りおろし写真をみる。
新人賞総ナメ後に感じた率直な気持ち
――デビュー作『MOTHER マザー』で「第44回日本アカデミー賞」など、さまざまな新人俳優賞を受賞されました。当時の心境は、いかがでしたか? いろんな方に評価していただいて、もちろん「とても嬉しい」という気持ちがいちばんにありましたが、客観的にみて、「なぜ、自分がこの賞を獲れたのか?」ということが分かっていなかったというのが正直なところでした。同じことはできないし、「今後、自分がどうすればいいのか?」いう気持ちもありました。 その後、いろんな監督や作品と出会うことで、勉強させてもらうこともありましたし、相談させてもらうところもあったので、そこでだんだん分かってきたところもありますし、まだ分かっていないところもあります。 ――そして、20年10月放送のドラマ「恋する母たち」。初の連ドラ現場であり、LGBTの少年・大介を演じました。 僕の中では『MOTHER マザー』でのお芝居や撮影の進み方というのがすべてだったので、いい意味でも悪い意味でも、それを作品に出した作品です。お芝居で感じたことをちゃんと正直に出すというのは変わりませんでしたが、作品のテイストも会話のテンポも違うわけで。 『MOTHER マザー』のときは監督に「喋りたくなければ、喋らなくていい」と言われていたので、そういう間のお芝居をしていたのですが、お父さん役の矢作(兼)さんとシーンで1分ぐらい黙っていたら、「それはさすがに長すぎる」みたいな空気になったんです。そこで連ドラと映画の違いみたいなものを痛感しました。 ――続いて、21年4月放送のドラマ「ネメシス」で演じたAI開発の天才・姫川。23年の映画版『映画ネメシス 黄金螺旋の謎』にも出演されました。 2回目の連ドラ挑戦という感じだったのですが、周りの演者の方々がかなりの先輩方ばかりで、自分がその場にいることで、ものすごく緊張したことを覚えています。しかも、難しい専門用語が多い長ゼリフばかりで、「これはNG出せない」というプレッシャーもあって、結局何テイクもやらせてもらったことを覚えています。 その後の映画版に呼んでいただいたときは、同じ役でも同じぐらい年月が経った設定だったので楽しかったですし、みなさんから「なんか大人っぽくなったね」と言われて、どこか新鮮な感覚になりました。