“都市農業”の重要性をアピール「東京農業フェア」
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東京都やJA東京グループは、「東京農業フェア」を3月10日に東京・新宿駅西口イベント広場で開き、都市農業の重要性や東京産の農産物・畜産物のおいしさをPRした。
都市化が進む東京は、戦後、一貫して農地は減少してきた。その一方で、東京には人口が集中し、一大消費地になっている。道路網の整備が進み、物流技術が格段に進歩したことで、東京都民が口にする食糧の多くは埼玉県や千葉県、茨城県などで生産された農産品が多くなっている。 しかし、新鮮な米や野菜を求める需要や地産地消の意識は高まっており、“都市農業”は見直されている。また、農地が持つ防災や緑化、市民の交流スペースといった多面的な機能も評価されるようになってきている。 そうした背景から、政府は昨年4月に都市部における農地保全を目的とした都市農業振興基本法を成立させた。
東京都内には各地域にJAがある。東京農業フェアでは、それぞれの特産になっているミニトマトやホウレンソウ、ニンジンなどを販売。また、セリ科の一種とされる野菜で伊豆諸島特産でもある「あしたば」、八丈島で生産されている通常のレモンより3倍も大きい南洋のレモン「八丈島完熟フルーツレモン」などのPR展示もおこなわれた。 今般、農業はTPPや農協改革など、農業分野には大きな変革の波が押し寄せている。農協や農家も活路を見出そうと単に農業という1次産業だけではなく、2次産業の加工業、3次産業の飲食レストランの経営といった分野にも進出して、6次産業化を目指す動きも活発化している。
今回の農業フェアでは、シフォンケーキやレトルトカレー、野菜餃子といった各JAが加工した商品が販売されて、人気を呼んでいた。 福島の復興を支援する同イベントは、東京の農産品をPRするだけではなく、福島産のリンゴジュース・ナシジュースなども販売。多くの人出でにぎわった。 (小川裕夫=フリーランスライター)