「セカイ、まるごとハウマッチー!」大橋巨泉さんが発掘した“数字を持つ男”…小倉智昭さん77歳死去
情報番組の人気司会者として知られる小倉さん。だが、最初に知名度を上げたのは「顔出しなし」の出演がきっかけだった。 1983年から始まった、世界各地から集められた映像に登場する物の値段を解答者が予想する「世界まるごとHOWマッチ」でナレーションを担当。放送当初、小倉さんはクールに、真面目な口調で淡々と語っていた。 だが数週間後に小倉さんが自らの判断で「セカイ、まるごとハウ マッチー!」と甲高い声を出し始める。すると、小倉さんの才能を発掘したことでも知られる番組司会の大橋巨泉さんが「それでいけ」とゴーサイン。それまで1ケタだった視聴率は、平均30%を記録するまでになった。 それと同時に、放送したTBSには「あの声は誰?」「(小倉さんの)顔を番組に出して」とファンレターが殺到。後に「どうーなってるの」(フジテレビ系)、「とくダネ!」に代表される“数字を持つ男”の誕生の瞬間だった。 好きなことにはとことんのめり込む性格。特に五輪には情熱を燃やした。2004年のアテネ五輪で初取材がかなうと、以来、ライフワークとして夏冬合わせて8回、現地で取材した。自らも出場を目指し、40歳を過ぎてから夫婦でクレー射撃を始めた。警察の許可をもらい、毎週のように練習。日本選手権に出場するまでになった。 がんを公表後も五輪への情熱は変わらず。21年7月には東京五輪の聖火リレー点火式に参加。トーチを持って聖火台に火を移した。7万円するトーチを購入し、少年のように喜ぶ表情が印象的だった。
報知新聞社