ダカールラリー2024、カルロス・サインツSr.が総合優勝。アウディに歴史的な初勝利をもたらす
サウジアラビアで行なわれた第46回ダカールラリーは、アウディのカルロス・サインツSr.が大半をリードし、最終的にオーバードライブ・トヨタのギヨーム・ド・メビウスに1時間20分25秒の差をつけて総合優勝を飾った。 【動画】ダカールラリー2024: ステージ11 ベストモーメント サインツSr.はステージ優勝こそなかったものの、ライバルたちを苦しめたトラブルを避け、安定した走りでライバルを圧倒した。 プロローグを48位で終えるなど順調なスタートではなかったものの、61歳のサインツSr.はすぐに立ち直り、ステージ2で総合首位に。翌日にはヤジード・アル-ラジ(オーバードライブ)が並外れたパフォーマンスを見せて逆転したものの、48時間クロノステージとして行なわれたステージ6でハイラックスを横転させ、サインツSr.が首位に返り咲いた。 ラリー後半はWRC時代の元チームメイトでもあるセバスチャン・ローブ(プロドライブ)との激しい競争に晒されながらもリードを保ったサインツSr.は、ステージ11でローブが大きくタイムロスしたことでセーフティマージンを持って最終ステージを走ることができた。 ステージ12をトップ10圏外で走り終えてビバークに到着したサインツSr.は、ダカールで自身4度目(テロ攻撃により中止となり、セントラル・ヨーロッパ・ラリーとして代替開催された2008年を除く)の総合優勝を達成した。 この4度の勝利はいずれも異なるブランド(フォルクスワーゲン、プジョー、ミニ、アウディ)での勝利であり、アウディにとってはダカールラリーでの初優勝となる記念すべきものとなった。 アウディは2026年にザウバーとのF1プロジェクトに全力を注ぐため、残された最後のファクトリープログラムであるダカールラリー参戦を終了すると見られている。 今年のダカールラリーでアウディは、優勝戦線から脱落したマティアス・エクストロームとステファン・ペテランセルの2台がサインツSr.を徹底サポート。対して、ローブと同じプロドライブ勢のナッサー・アル-アティヤは途中リタイアを決め、ローブはひとりでアウディ勢に立ち向かうこととなった。 ローブはラリー序盤にパンクなどで大幅にタイムロスしたものの、ステージ6で勝利すると猛烈な追い上げを開始。一時はサインツSr.に5分差まで迫りながらも、ナビゲーションミスで再びギャップが広がってしまった。 それでもローブは諦めず、ステージ11までに13分差という位置につけたが、サスペンションを破損するトラブルに見舞われ万事休す。12ステージ中5ステージを最速で駆け抜けながら、総合3位でラリーを終えた。 オーバードライブのド・メビウスは総合2位。トヨタのファクトリーチームを上回る結果を残した。 5台で臨んだTOYOTA GAZOO Racingは、ルーカス・モラエスが総合3番手につけていたものの、ステージ11の残り60kmのところでストップ。マシン修理に2時間を費やした。 その結果、ステージ10と11を連勝したゲラン・シシェリ(オーバードライブ)が総合4位に。総合5位にはMPスポーツ・フォードのマルティン・プロコップがつけた。 最終的にTOYOTA GAZOO Racingはガイ・ボッテリルが6位。ジニエル・ド・ヴィリエールが7位、モラエスが9位となった。 なお、バイククラスではモンスターエナジー・ホンダのリッキー・ブラベックが総合優勝。HEROモータースポーツのロス・ブランチを10分53秒差で退けた。
Rachit Thukral