35歳以上の妊娠は体外受精がほとんど? 「高齢出産」にまつわる3つの神話について米専門家が真相を解説
晩婚化という言葉が定着してきた現代、日本の初産の平均年齢は30.9歳(令和3年)。30歳以上の出産割合が1996年では41%、2006年では48%だったことを踏まえれば、年々増加傾向にあることがわかる。これらの事実があるにもかかわらず、30代後半で妊娠・子育てをする女性に対していまだにさまざまな誤解が続いている。 【写真】EXILEアキラの妻も40歳以上で出産! 高齢出産を経験したセレブママ35人 UK版『ハーパーズ バザー』はこれらの神話を解明するべく、ナショナル・チルドレン・トラスト(NCT 出産育児に関するチャリティ団体)とホスピタルコーポレーション・オブ・アメリカ(HCA 世界最大規模の病院経営会社)の専門家に真相を確認。プロフェッショナルの言葉は次のとおり。
神話1:30代後半で母親になることは稀である?
真相:「30代後半の女性の妊娠は、実際、一般的にあり得ることです」とNCTのダフ氏。「英国のナショナル・ヘルス・サービス(NHS)の統計によれば、2016-2017に誕生した赤ちゃんの内、17.7%の母親は35~39歳です」 HCAが経営するリスター・ファティリティ・クリニックの生殖医療の専門家ジェームズ・ニコポウロス医師も、若い時よりも若干時間はかかるかもしれないとした上で、「30代後半で妊娠することは決して珍しいことではありません」と述べている。
神話2:35歳以上で妊娠するのは、体外受精がほとんど?
真相:これは事実ではない。40歳未満であれば80%のカップルは1年以内に自然に妊娠している。ヒトの受精及び胚研究に関する認可庁のデータによれば、2016年に体外受精を行った患者の42%が35歳未満で、35~37歳が35.23%、38~39歳と40~42歳がどちらも14%、43~44歳が4%。平均35.5歳という結果だった。 とはいえ、ニコポウロス医師は、自然妊娠が難しいと感じているカップルに対し、30代後半になれば不妊治療の成功率が下がってしまうため、なるべく早く検査と治療を検討すべきだと助言している。
神話3: “老いた”母と見なされてしまう?
真相:メーガン妃の初産は37歳だったが、当時、“高齢の母”に分類されることに関して多くの議論がなされていた。明らかに否定的な意味が含まれているため、医師たちの間ではこのような言葉は使われていないと、ニコポウロス医師はコメント。「妊娠できる可能性が急落し始めてしまう絶対的な“崖の端”などありません。このことはすべての年齢において、女性の健康と幸福感を考慮して議論されるべきです」と話している。 ※この記事は、海外のサイトで掲載されたものの翻訳版です。データや研究結果はすべてオリジナル記事によるものです。