過去には公開プロポーズも 文化発信基地目指す札幌ウィークデーライブ
【北海道・札幌】札幌市の中心部、大通公園から少し東にあるショッピングモール・サッポロファクトリー。毎年クリスマス時期になると、地下1階から地上3階までの4フロア分の吹き抜けにジャンボクリスマスツリーが飾られるアトリウムが有名な施設ですが、そのアトリウムでウィークデーのほぼ毎日ライブが開催されているのはご存知でしょうか?
レーベルやジャンルを超えたミュージシャンが出演
サッポロファクトリーの「ウィークデーライブ」がスタートしたのは、2010年5月。現在このイベントのプロデューサーを務める庄子篤史さんが、前職時代に開拓したものでした。 「私が音楽レーベルの営業・プロモーター、インディーズレーベルの運営・マネジメントを担当していたときに、そのレーベルに関わるアーティストたちの露出の場を作りたいと思っていたんです。その時に、サッポロファクトリーにライブの開催を持ち掛けたのがきっかけでした。その後、私はそのレーベルから離れることになり、縁あってライブは継続していくことになったんです。」(庄子さん) このイベントの特徴は、全国的にCDが流通しているアーティストだけではなく、地域密着で活動しているアマチュアミュージシャンも出演していること。庄子さんがレーベルを離れたことで、レーベルやジャンルなどの垣根を超えた「良い音楽」を発信していくことがコンセプトになっています。 今年で6周年を迎えたこのイベントには、およそ700組2000名のアーティストが出演。30分ほどのステージを行うために、北海道以外のアーティストも庄子さんを頼りにサッポロファクトリーへやってきます。 「今では音楽以外のイベントが入らない限りはほぼ毎日、様々なアーティストたちが出演してくれています。皆さん良いアーティストばかりで、本当に恵まれているイベントだと思います。」(庄子さん)
開放的な空間の「自由さ」が魅力
これだけ多くのライブを行っていると、エピソードには事欠かないとか。絵や書道とのコラボレーションライブや、その場でお客様からキーワードを募り即興で作詞・作曲して歌うアーティスト、地元のゆるキャラを連れて来たり、アーティスト協力のもと公開プロポーズを行ったり…。開放的な空間だからこその「自由さ」がこのイベントの魅力になっています。 しかし、毎日のようにアーティストを確保するのは大変なことだと思うのですが、「ギリギリで空きが出てしまう以外は、そんなに苦労していませんよ」(庄子さん)とのこと。これからの展望は?と尋ねたところ… 「音楽はもちろんですが、そのほかのコンテンツも含めてこの場所を札幌の文化の発信基地にしていきたいですね。“世代やジャンルを問わない”文化を発信することで、この界隈を盛り上げていきたいと思います。」(庄子さん) (ライター・橋場了吾)