キャリアチェンジするときに避けるべき「3つの過ち」
新しい仕事に挑戦したくてうずうずしている人、今の仕事がもはや自分のためにならないと考えている人、あるいは、現実的に考えてそろそろ変化を取り入れるタイミングだと思っている人もいるだろう。何カ月(あるいは何年)も悩んだ末に、異なる業界や職種に飛び込もうと、ついに決めたとしよう。これは大きな変化だ! けれども、実際の一歩を踏み出す前に、少し時間をとってほしい。キャリアチェンジをスムーズに進めるためには、避けたい過ちが3つある。 ■過ちその1:「ゼロから再出発しなければ」と考えてしまう 熱心に働いてキャリアを積んできた人なら、ゼロからのスタートに大きな不安を感じるかもしれない。けれども実のところ、キャリアチェンジの大半は、傍から見るほど劇的なものではない。実際、キャリアを転換した人の14.5%は、ゼロからスタートするためではなく、ステップアップが目的だった。ということで、自分の持つスキルを、何もかも不要だと諦めてしまう必要はない。 これまでのキャリアで身に着けてきたスキルはおそらく、他分野でも応用可能なものが多く、キャリアチェンジにあたって大いに役立つだろう。手始めに、現在の職務を確認し、自分が身に着けてきたスキルをリストアップしてみよう。 応用範囲の広いスキルはどれだろうか。あるいは、まったく異なる職務でも使えそうなスキルはあるだろうか。異なるキャリアパスでも応用が利くスキルは、思った以上に多いはずだ。 例えば、カスタマーサービス分野の専門家が、プロジェクトマネージャーへの転職を希望しているとしよう。考えてみれば、顧客対応や問題解決、部署が異なるメンバーとの折衝を通じて積んできた経験は、新しい仕事でも必ず重宝するだろう。思っている以上に、あなたは多くのスキルや経験を手にしているのだ。 申し分ないスキルを一通り身に着けているわけではない、と心配に思う場合でも、恐れることはない。それよりも、近接したスキルの習得に力を入れよう。すでに持っているスキルが土台となる関連能力があれば、新しいことが学びやすくなる。 例えば、グラフィックデザインが得意なら、ウェブデザインはさほど遠くない分野だ。細部まで目配りが効き、視覚的要素がいかにユーザー体験を左右するかを理解しているなら、ウェブデザイナーへの転身はずっと容易だ。思ったより早く、自信をもってウェブサイトをデザインできるようになるだろう。 ■過ちその2:「学校で勉強し直す必要がある」と思い込む 修士号であれ学士号であれ、新しく学位を取得すれば、キャリアの悩みなど魔法のように消え、理想の仕事に就ける、と信じている人がいる。残念だが、必ずしもそうなるとは限らない。 弁護士になりたいなら、法律の学位が必要なのは言うまでもない。しかし多くの分野では、学校と仕事の関係はそれほど厳密ではなく、ずっと柔軟だ。 例えば、教育業界からデジタルマーケティングへと思い切って転職したい場合、仕事を辞めてマーケティングの学位を取る必要はない。人を引き込むようなコンテンツを作成する力や、プロジェクトの管理能力などは、学位と同様に価値がある可能性がある。デジタルマーケティングやプロジェクト管理などの分野では、新しい学位よりも、実用的スキルや資格、実務経験の方が役立つ場合も多いのだ。 では、学校に行かずに、関連した経験を積みたいとき、いちばんの近道は何だろうか。専門知識を深めるのに最適なのが、ボランティアや副業だ。地元慈善団体のソーシャルメディアを運営したり、イベントを宣伝したりすると、アピールできる経験を積める上に、人脈も広げられるかもしれない。フリーライターやコンサルタント業を始めたい人にとっては、将来仕事をくれるかもしれない相手に、自分の才能をアピールできる絶好のチャンスにもなる。自分の才能を証明したいときに、新しい学位を取得する必要はないのだ。