高齢者の一人暮らしは増加傾向…「独居老人」が抱える問題点は?
近年は平均寿命の延伸や少子化の進行による若者人口の減少によって高齢者の割合が増えていますが、中でも高齢者の一人暮らしの割合が増加傾向にあることで日常生活を行う際や健康面で数多くの問題が生じているといいます。 ◆高齢者の一人暮らしの割合が増える理由と「独居老人」が抱える問題点とは 内閣府「令和6年版 高齢社会白書(全文)家族と世帯(PDF版)」によると65歳以上の一人暮らしの者は男女ともに増加傾向にあって、65歳以上の男女それぞれの人口に占める割合が、1980年には男性4.3%、女性11.2%であったものが、2020年には男性15.0%、女性22.1%となり、2050年には男性26.1%、女性29.3%に達すると見込まれています。 では高齢者の一人暮らし(独居老人)が増える理由と「独居老人」が抱える問題点にはどのようなものがあるのでしょうか。 詳しく見ていきたいと思います。 ※編集部注:外部配信先ではハイパーリンクや図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。
高齢者の一人暮らしの割合が増える理由
高齢者の一人暮らしが増えている原因には、以下の3つがあると思われます。 ●何らかの理由で家族を頼ることができない 以前は二世帯同居や三世帯同居が決して珍しいことではありませんでしたが、近年はライフスタイルの変化や職業選択の自由、働き方の変化、転勤等によって子供が離れて暮らしていることが多く、夫婦や親子だけで構成される家族がほとんどになりました。 子世帯と離れて暮らしている分、当然お互いの関わり合いの度合いは低くなってしまいがちです。 また長寿命化に伴い、しばらく夫婦2人で暮らしていたものの死別していずれか一方が一人暮らしになるケースもあります。 したがって何らかの理由で子供に頼ることができない、すでに家族は他界しているといった理由で、頼れる人が近くにいないケースも少なくありません。 さらに高齢者の価値観にも変化が現れ、「老後は子供に頼らずに自立したい」と考える方も増えています。 ●慣れ親しんだ場所から離れたくない 今の暮らしに特に不満がないので、慣れ親しんだ場所から離れてまで子供の家族と同居したくないというケースもあります。 長年住んできた家や慣れ親しんだ地域を離れるのは簡単なことではありません。 現在の住まいが自分で苦労して建てた思い入れのある家であれば尚更でしょう。 そして長年居住している地域であればそこに住み続けることで一定の近所づきあいも維持できるので、それほど孤独感を感じることなく生活できるケースが多いと思います。 ●経済的に一人暮らしが可能になっている 現状の暮らしに満足していて特に不自由を感じることがないというのも一人暮らしを続ける理由のひとつになります。 貯蓄や安定した収入さえあればとくに経済的な不安はなく、誰かを頼らなくても自分の趣味や仲間との交流を楽しみながら生活していくことができます。 そのためストレスを感じながら子供の家族と同居するよりも、身内に迷惑をかけることなく自由気ままに暮らしていくことを選択するケースも少なくありません。