【ヤマハ MT-09SP 試乗】まだイケる&上達したと誰もが実感! 隠しワザに秘密あり…青木タカオ
◆足まわりがいいから走りもレベルアップ!?
コーナー進入時、ブレーキレバーを穏やかに緩めつつ、車体を倒し込んでいく。コントロール性に優れ、思い通りに操れるから、次はもっとイケる気がする。 詳細画像:隠しワザに秘密あり!な「ヤマハ MT-09SP」
旋回中も落ち着いていて、コーナーの出口では直列3気筒エンジンのトルクフルで高揚感の上がるサウンドを耳にしながら、強力に立ち上がっていく。
ヤマハ『MT-09SP』だ。サーキットにて開かれたメディア向け試乗会では、クラッチレバーとシフトペダルの装備と操作を省略化した新技術搭載の『MT-09 Y-AMT』に注目が集まったものの、2024年7月に新発売されたMT-09SPのスポーツ性能の高さも目を見張るものがあった。
より高性能なサスペンションとブレーキを備えるSPのおかげで、筆者の走りもレベルがワンランク上がったのではないだろうか。じつに気持ちがいい!
試乗を終えて、プロジェクトリーダーの津谷晃司さん(PF車両開発統括部SV開発部)に意気揚々と自慢しにいくと、じつはSPならではの電子制御がその走りには隠さされていることがわかる。その話は一旦置いておいて、順を追って報告しよう!!
◆ライポジが見直された新型
MT-09は今年4月に発売された新型でハンドルの角度が開き、垂れ角が増えたことでグリップ位置が下がり、フロントに荷重がかけやすくなっている。従来型では低速域から振り回せるようなモタード的なキャラクターを持ち味としていたが、ステップもリヤ寄りにし、中高速域でもアグレッシブに攻め込めるようなロードスポーツとして完成度を高めている。
※新型MT-09ではハンドル位置は下方へ約3.4cm、フットレスト位置は後方へ約3cm、かつ上方へ約1cm移した。車体への入力がしやすくなっている。
MT-09 Y-AMTとともに、SPを持ち込みサーキットで体験してもらいたかったというヤマハの意図がよくわかる。SPならではの専用装備は、なんといっても高性能な足まわりで、KYB製のフルアジャスタブルサスペンションなどを備えるのは従来型と変わらないが、バネレートが強化されていたりダンピング特性の見直しが新型ではおこなわれている。