カジュアルな接客に最高の朝食! 大阪で注目のホテル、パレスホテルグループ「Zentis Osaka」はいまが泊まりどき
いきなりの朝食の小鉢セット。 ゼンティス大阪(Zentis Osaka)(以下、ゼンティス)宿泊のクライマックスは翌朝の贅沢にあり! 東京・中目黒のミシュランガイド1ツ星店「クラフタル」のシェフ大土橋真也さんが監修したメニュー。 約2年ぶりの再訪でしたが、期待通りのおいしさ! 【写真多数】朝食から室内までパレスホテルグループ「Zentis Osaka」の全体像
「洋食を積極的に取り込んだ和食」といった料理。 朝食タイムは朝7時からで、この新鮮で繊細な料理を早朝からつくってる厨房の人たちの頑張りやいかに。 ゼンティスのがある場所は大阪駅から徒歩15分ほどの、飲み屋街とビジネス街の中間あたりです。 食に困らないエリアながら4,000円近く出して味わう意義あり。 肉、魚から野菜、漬物、スパイスに至るまで、ハズレ一切ナシ。 手を抜かないこだわりが凄いです。 母体のパレスホテルも笑いそうなくらい料理もスイーツもハイグレードですが、食の探求が社風なのでしょうか!? ただこのゼンティス朝食には大問題がありまして。 朝からこの味と風味を堪能してしまうと、その日の別の食事選びに困ってしまうのです。 普段のいい加減な食生活に戻れなくなりますから。 何か食べようとしても「朝食のウマさに勝てないしなぁ」とスルーしがち。 ひとり旅でプラプラ歩くわたしの場合、昼以降はローカルな食べものを愉しみます。 このたびの6月の関西小旅行では京都に行きまして(大阪駅から京都駅までは電車で最短30分ほど)、抹茶、和菓子、茶そば、コーヒー(京都名物)などを巡って。 なにはともあれ「ゼンティスなら朝食」、これ鉄板でお忘れなく。 (ヴィーガンメニュー、パンとスクランブルエッグなどのライトなメニューもあります) 私的に居心地いい宿泊所は、屋外と結びつく1階から機能しているもの。 建物全体がその施設なのが理想です。 東京・丸の内のパレスホテルもそうですし、広大な庭園のあるホテル椿山荘東京やこのゼンティスも。 海外ラグジュアリーホテルは高層ビルの上階だけで運営するケースが多いですよね(1階フロアに宿泊案内やレストランなどの役割を持たせつつ)。 上階ほど高級とされる世界の住居意識に基づくあり方でしょう。 ピラミッド型の社会のヒエラルキー構造を目の当たりにしているような。 大地や路上が好きなわたしのような人間とは相容れないなにかがそこにあります(嫌いでもないのですが)。 ゼンティスは16階建てビルの13階までがホテル機能です。 外からエントランスを抜けて階段で軽く2階のレストラン(朝食のスペース)に上がってもゼンティス。 宿泊者だけが持てるカードキーを使いエレベーターでどの部屋に入ってもゼンティス。 気持ちが落ち着きます。 今回が2022年夏に続く2回目の宿泊でした。 (ファッション系の仕事が軸なため、仕事先が東京でほぼ間に合うのです) 初めて来たときもっとも印象的だったのは、ロンドンを拠点にするインテリアデザイナーのタラ・バーナードさんによる内装の素晴らしさ。 彼女は設計事務所「タラ・バーナード&パートナーズ」の創設者です。 上質なマテルアルを使いつつ、現代的にニュートラルにしたデザインの方向性に惹かれました。 リピートした今回気づいたのが、スタッフたちのカジュアルな振る舞い。 佇まいや話し方がその人らしい自然な印象。 ホテルというよりカフェに近いと感じました。 趣味人が集うカフェのなかを、笑顔で歩いてるスタッフのような。 髪の色は黒でなくてよく、服装の自由度も高く。 男性はヒゲもOK。 一人ひとりの個性漂うゼンティス。 「住んでるの大阪市内?」とか気軽に話せそう。 上写真のラウンジは2022年7月の様子です。 基本的に現在もそのまま。 ゼンティスに泊まるなら、実はいまがいいタイミングです。 というのは、9月30日(月)まで館内絵画が新しく入れ替わっているから。 手掛けたのはファッションブランドとのコラボなども手掛けるパリにアトリエを持つ日本人itu'(イトウ)さん。 itu'さんが特別に仕立てた宿泊部屋も。 詳細は以下の公式サイトをご覧ください。 https://zentishotels.com/ja/osaka/news-detail/202404256050/ 1階ラウンジの壁面絵画も期間中はitu'作品に。 なお彼の作品は販売品で、150,000~200,000円(平均で350,000~400,000円ほど)。 絵画展示中はitu'さんが手塗りしたグラスによるオリジナルカクテルをバー&レストラン「アップステアーズ」で提供。 スタッフが着用した特別ジャケットとシューズもitu'さんの手塗り。 シューズはコンバースのジャックパーセルで、コンバースが発売したら大人気になりそう。 この服装のスタッフはわずかしかいないので、ぜひ館内を眺めまわして探してみましょう。 今回のゼンティス訪問は、アートお披露目を兼ねたメディア関係者招待でした。 イベント以外の平時に行ったことのある者としては、館内の印象がほぼ変わっていないことがちょっと意外でした。 事前に調べた作家情報だと、ポップで派手派手な作風でしたから。 シックな内装の雰囲気を大切にしつつ、馴染ませた印象です。 All photos&text©KAZUSHI
高橋一史|ファッションレポーター/フォトグラファー 明治大学&文化服装学院卒業。文化出版局に新卒入社し、「MRハイファッション」「装苑」の編集者に。退社後はフリーランス。文章書き、写真撮影、スタイリングを行い、ファッション的なモノコトを発信中。
写真・文:一史