能登地震からまもなく1年 老舗旅館「加賀屋」新旅館で26年冬にも再開へ【WBS】
最大震度7を記録した能登半島地震からまもなく1年です。石川県などでは災害関連死を含め、これまでに489人が死亡し、今も2人が行方不明となっています。震災の傷跡がいまだに残る中、石川県・和倉温泉の旅館「加賀屋」は2026年度の営業再開を目指し、動き出しています。復興への取り組みを追いました。 全日空が運航する羽田空港と石川県の能登空港を結ぶ定期便は能登半島地震の影響で午前1往復だけの運行が続いていましたが、25日から午後の便を再開。地震発生前と同じ1日2往復の運航が復活しました。 全日空は、年末年始の帰省や復興支援ツアーなどで利用客の増加を見込んでいます。羽田-能登線の年末年始の予約率は25日時点で6割を超え、1年前と比べ4.2ポイント上昇しました。
能登への足が元に戻りつつある中、現地の状況はどうなっているのか。石川県和倉温泉の旅館「加賀屋」を訪ねました。 加賀屋の「雪月花」は地震の影響で2階の子供の遊び場のガラスが割れ、置かれた太鼓が見えています。 加賀屋は和倉温泉内に4つのブランドの旅館を構えていますが、いずれも損傷が激しく、休業を余儀なくされています。 加賀屋は1906年創業。233の客室があり、収容人数は1230人。館内には大規模な宴会場や劇場などもあり、「プロが選ぶ日本のホテル・旅館100選」で通算40回以上総合1位を獲得しています。 その加賀屋は地元の盟主として能登に人を呼び戻すべく、25日に再建案を発表しました。 「思い切って新館で挑戦した方がいいんじゃないかと」(渡辺崇嗣社長) 加賀屋から歩いて10分ほどの距離、更地となっている場所に新たな旅館を建設しようというのです。 約3万平米の土地に有名建築家の隈研吾さんの設計で建設予定だというのが、全室オーシャンビュー、各部屋に温泉付きという高級旅館です。部屋数は50と現在の233室から大幅に減らし、おもてなしを追求するといいます。既存の建物をどうするかは未定ですが、新館を建設し、2026年冬にも営業再開を目指します。 「ゼロ、マイナスからのスタートをする。それを逆手に取るわけじゃないが、客のニーズ、旅行のスタイルの変化を含め、今後はどうあるべきか先の方を描き、『前の加賀屋も良かったが、今度もいい』と言ってもらえるようにしたい」(渡辺社長) ※ワールドビジネスサテライト