インベスコ、日本の中小型グロース株に好機到来-割安・高成長を評価
(ブルームバーグ): インベスコ・アセット・マネジメントの服部幸博ポートフォリオマネジャーは、マクロ環境の不確実性が高まる中、割安な日本の中小型グロース(成長)株に好機が訪れているとみている。
純資産残高92億円のインベスコ店頭・成長株オープンなどを運用する服部氏はインタビューで、世界的な株安に見舞われた8月は、バリュエーションが低く収益成長率が高い中小型の成長株を物色する動きが顕著だったと指摘。ここ数日も海外からの資金流入が見えており、海外勢の見方が変わりつつあるとの認識を示した。
ブルームバーグのデータによると、店頭・成長株オープンの過去1カ月のリターンは約3.8%と、競合ファンドの96%を上回る。東証株価指数(TOPIX)の同期間のリターンは小幅なプラスにとどまり、高いマーケットシェアを持ち、継続的な利益成長ができる企業に投資する同ファンドの戦略が効果的に働いていることを示す。
27日投開票の自民党総裁選や、11月の米国大統領選を前にマクロ環境の不確実性は高まっている。服部氏はこうした環境でも「業績だけは普遍的」だとし、ファンダメンタルズ分析に基づく個別銘柄選択の重要性が今後さらに高まっていくとみている。
東証グロース市場250指数(旧マザーズ指数)は8月5日の安値から既に35%上昇しているが、株価収益率(PER)はなお2020年以降の最低水準で推移。一方、12カ月先の1株当たり利益(EPS、加重平均)予想は約16円と18年末以来、およそ6年ぶりの高水準に達する見通しで、指数の戻りが続く余地があることを示唆する。
服部氏にとって、業績が経済環境に左右されにくく、株主資本利益率(ROE)が高いことも投資先を選ぶ上での重要ポイントだ。
ファンドの組み入れ銘柄で8月のベストパフォーマーだった中古品買い取り・販売業者のBuySell Technologiesは、為替変動などの外部環境の影響が限定的だと同氏はみている。このほかパフォーマンス上位に入った大型ディスカウント店のトライアルホールディングスやネットワークシステムのネットワンシステムズも内需銘柄で世界景気の影響を受けにくい。