「原因がわからない、なんだかつらい」…日本人が実は陥っている「かくれ低血糖」の正体
短期的には痩せたとしても、長い目で見れば太りやすくなってしまい非効率です。また、血糖値を下げるインスリンは、肝臓に脂肪をため込む働きもあるため、脂肪肝になるリスクも高くなってしまいます。 6. 貧血のリスクが上がる 血糖値が下がると、鉄不足になるリスクも上がります。鉄の吸収には胃酸が必要なのですが、血糖値が下がると血糖値を上げるために活動が活発になるホルモンの影響で、自律神経のバランスが交感神経優位になり、胃酸の分泌が抑制されてしまうからです。低血糖の人は、健康診断で指摘を受けていなくても鉄不足である場合がほとんどです。
鉄はエネルギー代謝に必要な栄養素なので、不足することで、考えることに疲れてしまったり、糖質ばかりをエネルギー源にしようとするため、甘いものが大好きになったりします。 ■まずは一口30回噛むことからスタート それでは、血糖値をコントロールするためには具体的に何をしたらいいのでしょうか。 はじめに取り組んでいただきたいのは「一口30回以上噛む」ことです。 血糖コントロールには「一口30回以上噛む」ことが重要です。血糖値が乱れている人は、早食いで噛まずに飲み込んでしまっていることが多いです。早食いでは血糖値が急上昇してしまいます。なので、まず、ゆっくり食べることを習慣づけましょう。
これからは、一口食べたら頭の中で30回、数を数えてください。実践してみると、いかに普段自分が噛んでいないのかがよくわかるはずです。最初は難しいかもしれませんが、1カ月も経つとだんだん慣れてきて、当たり前のように30回噛むことができるようになります。 噛むことは血糖値が緩やかに上がるだけではなく、ほかにもメリットがたくさんあります。腹八分目で満足できるようになるため、少量でもお腹いっぱいになる人が多いです。噛むことで幸せホルモンのセロトニンも出ます。
■食事中に大量の水分を摂りすぎない また、しっかり噛んでいると唾液も十分に出ます。ちなみに、食事中に水分をたくさん摂ってしまう人はよく噛んでいなくて唾液が出ていない人が多いです。食事中に水分をたくさん摂ってしまうと、胃酸が薄まるので消化力も弱くなってしまいます。 そのため、汁物を摂ったり、お水1杯くらい飲んだりする程度ならいいですが、食事の前後30分程度はあまり大量の水分を摂らないことをオススメします。
このように、噛むことにはメリットしかありません。血糖値をコントロールする方法は他にもたくさんありますが、まずは一口30回を目指して噛むことを習慣にしましょう。
岡城 美雪 :管理栄養士/My Wellness代表取締役/柳澤 綾子(監修)