武田や塩野義と共同研究する「AI創薬」ベンチャーの野望
中村慎吾(なかむら・しんご)/1972年生まれ。2000年名古屋大学大学院工学研究科 有機化学分野にて博士号取得(工学)、アメリカ・イェール大学ブレーカー研にて博士研究員として核酸の分子細胞生物学について研究。2003年に武田薬品工業入社、2011年にプロジェクト中断を受けて退社、産業革新機構戦略投資ディレクターなどを経て2016年に当社設立、同年代表取締役に就任(撮影:尾形文繁)
AI(人工知能)を使い、細胞内でタンパク質の合成を制御するmRNA(メッセンジャーRNA)をターゲットとした創薬を手がけるVeritas In Silico(ウェリタス・イン・シリコ<130A>)が、2024年2月に上場を果たした。証券コードに初めてアルファベットがついた企業でもある。社名の「ウェリタス」はラテン語で「真実」、「イン・シリコ」は「コンピューターを利用する計算科学」を意味する。イン・シリコ技術と実験技術を掛け合わせた医薬品創出を進める会社として、2016年に設立された。2018年には国内製薬会社との共同研究も開始。現在は塩野義製薬(4507)や武田薬品工業(4502)などと、mRNA標的低分子医薬品の共同創薬研究を進めている。もともと武田の研究者でもあった中村慎吾社長に、上場までの経緯や今後の成長戦略を聞いた。
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兵頭 輝夏