ロンドン外為市場で38年ぶり円安水準、一時1ドル=160円70銭台
【ロンドン=中西梓】26日の外国為替市場で、円相場は円売り・ドル買いが優勢となり、一時、1ドル=160円70銭台をつけた。1986年12月以来、約38年ぶりの円安・ドル高水準となった。 【チャート】1か月間の円ドルの動き
円相場は日本時間夜、政府・日本銀行が円買い・ドル売りの介入に踏み切ったとみられる4月29日以来、約2か月ぶりに1ドル=160円台をつけた。その後も大きな取引材料がない中で円売り・ドル買いが進み、1990年4月につけた1ドル=160円30銭台を突破した。
米連邦準備制度理事会(FRB)のボウマン理事が講演で「政策金利の引き下げが適切だという段階にない」と述べ、早期の利下げに否定的な見解を示した。利下げ開始時期が先送りされるとの見方が強まり、日米金利差を意識した円売り・ドル買いが続いている。
財務省の神田真人財務官は26日夜、記者団に対し、「急速な円安進行に関しては深刻な懸念を有している。行き過ぎた動きに対しては必要な対応を取る」と述べた。
円相場は、対ユーロでも一時、1ユーロ=171円70銭台をつけ、1999年にユーロが導入されて以来の最安水準を更新した。