回避された徹夜国会。政治とカネ、予算案めぐる攻防の裏で「暗躍」したキーマンとは…
政治とカネ、予算案採決めぐり与野党激しい攻防 深夜国会へ突入か?
この前日、2月29日に開かれた政治倫理審査会に自民党の岸田総裁が現役の総理としては初めて出席した。自民党は総理総裁というカードを切って政治資金パーティー問題に向き合うことで国会日程を正常化し、予算を年度内に自然成立させるという大きな政治目標を掲げていた。特に岸田総理自身が衆議院での2日までの予算案通過に強いこだわりをみせていたという。自民党関係者はこう話す。 自民党関係者「政倫審に岸田総理自らが出席した。これにより結果的にはフルオープンで安倍派・二階派の幹部議員が政倫審に臨む結果となり、かなり野党側の要求にこたえて譲歩した形になった。その分“予算日程は譲れない”という固い意志を感じた」 自民側は予算委員長の職権での採決を決めた。 一方で、野党第一党・立憲民主党は、そもそも政倫審開催が予定された2月28日から1日遅れたのは自民党の責任であり、説明責任も不十分だと批判。予算の強行採決突入には、抗わねばならないという姿勢を見せていた。2月29日の時点で立憲民主党・安住淳国対委員長は「審議時間が70時間に達していない。大変強引な印象を受けます。我々としては、対抗措置を取らざるを得ないと思っております」と態度を硬化させていた。 こうした状況をつぶさに見ていたのが、野党第二党の日本維新の会・遠藤国対委員長だ。かねてから維新は国会の空転による税金の無駄遣いや審議時間の無駄な引き延ばしといった、いわゆる日程闘争に否定的な考えを持つ政党だ。 維新・遠藤敬国対委員長「自民党も立憲民主党も完全に意地になってしまっていて、膠着状態になってしまった。どちらかが折れないことには着地点を見出すのは難しい。本当にこのままだと、夜通し国会が行われることになってしまう」と危機感を募らせていた。 関係者によるとこの時、野党議員には「土日の予定はすべてキャンセルするように」と内々に通達が回っていたという。