本州最南端は猛暑日知らず 今夏ゼロ、110年で2日、和歌山県串本町潮岬
今夏は全国で最高気温が35度以上の猛暑日が続出。和歌山県新宮市では7月8日に観測史上最高の39・6度を記録した。ところが、串本町潮岬の猛暑日はゼロ。110年余りの観測史上で2日しか記録がない。本州最南端はなぜ猛暑日知らずなのか。 【【詳報】ロケット打ち上げ、12月に再挑戦へ 和歌山県串本の発射場の動画はこちら】 7~8月は県内各地で猛暑日を記録した。新宮市は2カ月間で計21日、田辺市龍神村は15日、白浜町は2日、和歌山市では22日あった。近畿では大阪市、奈良市、京都市、大津市で30日を超えている。 潮岬は8月16日の34・5度が最高。8月は大半が30度以上の真夏日だが、35度を超えることはなかった。1913年の観測開始以降、猛暑日は1915年7月14日の35・6度と2020年8月16日の36・1度の2日しかない。 和歌山地方気象台リスクコミュニケーション推進官の杉岡成彦さんによると、猛暑日知らずの理由は海に囲まれた地形にある。「陸地に比べ涼しい海の空気が風に乗ってやって来るからではないか」と話す。 日射の強い日中は陸の方が海より温度が高くなる。すると海から陸に向かって風が吹く。逆に夜間は陸の方が海より温度が低くなり、陸から海に向かって風が吹く。この海陸風による空気の循環が気温に影響を与えると考えられている。 一方で、冬は他の地域に比べて暖かい。今年1月の潮岬の平均気温は9・6度。田辺市龍神村は3・5度、和歌山市は7・2度、京都市は6・0度だった。
紀伊民報