なぜ災害のたびに「迷惑ボランティア」が“批判”されるのか 日本にはびこる「冷笑主義」の正体
「迷惑ボランティア」批判の弊害
――今後も「迷惑ボランティア」批判は続いていきそうですね。 津田教授:ボランティアに関する議論が盛んになることには、「ボランティアをしたい」という気持ちを持っている人が議論を見て「めんどくさいことになっているな」と感じて、ボランティアから遠ざかってしまう、という問題があります。 今回の能登半島地震についても、今後アクセスが改善してより多くのボランティアが必要になっても、人々の腰が重くなって参加する人が少なくなってしまうおそれがあります。これが最大の弊害ですね。
津田正太郎 1973年大阪府生まれ。慶應義塾大学メディア・コミュニケーション研究所教授。主要著作に『ナショナリズムとマスメディア─連帯と排除の相克』(単著、勁草書房、2016年)、『メディアは社会を変えるのか─メディア社会論入門』(単著、世界思想杜、2016年)、『共生社会の再構築Ⅱ─デモクラシーと境界線の再定位』(共著、法律文化社、2019年)など。
弁護士JP編集部