バター不足備え追加輸入へ ホットケーキ危機 人気店も懸念
熱々のビーフシチューに、ふわふわのホットケーキ。 料理に欠かせないバターが猛暑の影響でいま、危機を迎えています。 【写真】バター価格が高騰…人気店も懸念
■バター値上げに洋食店も悲鳴
お肉がとろけるビーフシチューにも、ずっしり肉厚な鮭にも… 千葉にある洋食店。1日で1キロ近く使うこともあるというのが… 見ただけで幸せになれる黄色いかたまり、「バター」です。 えびすや・田村智之シェフ 「『生鮭のバター焼き』というメニューがあり、本当にバターでしっかりと焼いていたり、『ガーリックトースト』もニンニクをバターで溶かして、パンに塗って用意している」 客 「鮭が思った以上にふわふわしている。運ばれてきた時からバターの香りが漂ってきているので、口に入れると(バターを)感じる」 惜しみなく使うのは、こだわりの国産バターです。 えびすや・田村智之シェフ 「家庭で作る料理と違って、大量のバターを使っているのでプロの味に変えてくれるバター。本当に必要なもの」 ただ、このこだわりがいま逆風になっていました。 えびすや・田村智之シェフ 「明らかに値上がりしているのは肌で感じている。最近でいうと1ポンド(約450グラム)で100円くらい一気に上がって、5年前から考えると1.5倍、300~400円くらい上がっている」 お菓子やパンの製造業者、飲食店などに出荷される業務用国産バターの価格は年々上昇。13年で、1キロ500円程度値上がりしました。 さらに、バターは仕入れも一苦労です。 えびすや・田村智之シェフ 「最初は牛乳店から(バターを)仕入れていたが、そもそも材料が確保できない。牛乳店の本社から分配される量もかなり減っているということで、うちは業者を変えてなんとかやっている」 バターをふんだんに使う店はほかにもあります。
■ホットケーキ危機!人気店も懸念
客 「おいしいね」 「昔ながらみたいな、いまはやりのふわっとした感じではなく、しっかり焼いた感じ」 5段重ねて、てっぺんには、バターをたっぷりと… 東京・浅草の喫茶店で提供される「ビッグホットケーキ」、1050円です。 喫茶ミモザ・川杉百々代 店主 「開店のときに色んなものを研究して、このバターが好きだった。値段がすごく高いけど、どうせ提供するなら、おいしいものを味わってもらう方が大事」 創業時には1ブロック700円ほどだった国産バターが、現在は500円ほど値上がりして、およそ1200円だそうです。 喫茶ミモザ・川杉百々代 店主 「物価がすべて落ち着いたらうちも考えます。しばらくの間はこのままでいくほうが、自分のためにも客のためにもおいしく提供できると思う」 さらに、今年は国産バターにとって、厳しい夏になることも予想されています。