部下を“茹でガエル”にするマネジャーの、典型的なチームの状態の捉え方とは
■なぜ、マネジメントにも「キーエンスの数値化」を取り入れるべきか? そこで、そもそもマネジメントにも「キーエンスの数値化」を取り入れるべきである理由を確認しておきましょう。 その理由とは、一言で言えば「茹でガエルになってしまわないため」です。 マネジメントにおいて最も危険なことは、「変化に気づかない」ことです。チームの働きぶりを感覚的に捉えていて、「なんとなくうまくいっている」などと思っていたら、実際には成果を上げていなかったということはよくあります。 このようにチームの状態を印象で捉えていてはマネジャー失格だと言わざるを得ません。 キーエンスでも振り返りをするミーティングがありましたが、業績の悪いチームは「その変化にいつ気づいたのか?」ということが話題になることが多かったです。 やはりマネジャーは、KGIからプロセスごとに逆算したKPIが達成されているかどうかを数値で把握できていなければならないのです。 それも半期や月次、そして日次で確認できていなければ、どのタイミングでどのプロセスに手を入れなければならないのかなどわかるはずがありません。 これらの数値を把握できていないマネジャーは、メンバーに対して具体的な指導をできませんから、「もっと頑張れ!」といった声援を送るだけになってしまいます。 それではチームの生産性を高めることやメンバーのモチベーションを高めることはできないでしょう。 逆に、プロセスごとの数値がKPIを達成できているかどうかを日次で追跡できているマネジャーであれば、本来あるべき理想の状態を具体的に把握できていますから、部下に対して具体的な改善策を指示することができます。 その結果、部下も自分が何をすべきか明確に理解できるので、マネジャーを信頼して行動することができます。 しかも、実際に成果を上げることができますから、チーム全体のモチベーションを高い状態で維持することができます。 これが、チームにおいて「キーエンスの数値化」を取り入れるべき理由です。
岩田 圭弘