「一度太りはじめると止まらない」のは事実!心筋梗塞や脳梗塞のリスクも…医師が「内臓脂肪から目を背けるのは今すぐ終わりに」と警告するワケ
令和元年の厚生労働省のアンケートに回答した20歳以上の男女のうち、食習慣について「関心はあるが改善するつもりはない」と答えた人の割合は、男女それぞれ約25%だったそう。今回は、炭水化物を食べてOK、激しい運動をしなくてOK、お酒を飲んでもOKな「齋藤式満腹やせメソッド」を医学博士の齋藤真理子先生に紹介してもらいます。その齋藤先生、内臓脂肪を放置すると「命の危機にもつながる恐ろしい事態にもなりかねない」と言っていて――。 【図】脂肪肝で落ちてしまう「4つの働き」とは? * * * * * * * ◆ダイエットを後回しにしている間に、体内で起きている悲劇 「やせたいけど、仕事で食事の時間が不規則で……」 「時間がなくて、運動するヒマなんてない」 こうした日々の忙しさをやせられない理由にして、ズルズルと太り続けてしまっている……。心あたりある方、いらっしゃいませんか? 私たち日本人は、勤勉であるからこそ、仕事が理由になってくると「忙しいなら仕方ないよね」と、ついつい自分で納得してしまいがちです。 しかし、忙しさを理由に、食生活もそのまま、座りっぱなしで運動しない毎日、睡眠不足の日々などを続けてしまうと、内臓脂肪は当然、増え続けます。 その結果、あなたの想像を超えた、恐ろしい事態が起こってしまう可能性を知っておいてほしいのです。 体重が増える、体に脂肪がつくといった「目に見える」肥満の症状は、実は氷山(ひょうざん)の一角であり、その裏では「目に見えない」とても重要な臓器に、大きな悪影響を与えてしまいます。
◆重要な臓器「肝臓」 その重要な臓器とは「肝臓」です。 内臓脂肪が多くなると、脂肪を蓄える機能を持つ脂肪細胞がパンパンに膨れます。この異常に膨れた状態になった脂肪細胞から、炎症性(えんしょうせい)物質が放出されるようになるため、体の組織に炎症が起こります。 そのため、肝臓の細胞に内臓脂肪が蓄積(ちくせき)する「脂肪肝」になってしまうと、肝臓が常に炎症を起こした状態になってしまうのです。 肝臓が炎症を起こした状態だと、私たちの健康を保つための、次のような主な4つの働きが十分に果たせなくなってしまいます。 1.代謝(食事で摂った栄養を、体内の各器官に必要な形に変える) 2.エネルギーの貯蔵(体に必要なエネルギー源であるブドウ糖などを貯蔵する) 3.解毒(げどく)(アルコール、食品添加物、アンモニアなど有害物質を分解して無毒化する) 4.胆汁の生成(脂質の消化吸収を助ける、肝臓で処理された不要物を排泄する、血液のコレステロール濃度を調整してくれる働きのある胆汁を作りだす) さらに肝臓の炎症が進行することで、脂肪性肝炎(しぼうせいかんえん)、肝硬変(かんこうへん)、肝臓がんなど深刻な肝臓の病気にもつながります。 また、脂肪肝になることで、肝臓に蓄積された中性脂肪が全身をめぐる血管にも流れ出てしまい、血管を狭めて詰まらせやすくします。 その結果、果ては心筋梗塞(しんきんこうそく)や脳梗塞(のうこうそく)までも発症するリスクが高まってしまうのです。
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