海外メディアも高橋大輔の全日本復活2位を絶賛「代名詞の芸術性」「誰からも敬愛」
4年のブランクを埋めフィギュアの全日本選手権で2位となった高橋大輔(32、関大KFSC)の復活劇は、海外でも関心が高く複数の海外メディアが報道した。 NBCスポーツは「高橋大輔、全日本選手権で銀メダル獲得、世界選手権枠は辞退」との見出しを取り「羽生結弦が故障で再び欠場するなか、3年連続の国内タイトルを獲得した五輪銀メダリストの宇野昌磨に続き、32歳の高橋が銀メダルを獲得した」と、高橋に焦点を当てる記事を掲載した。 「1952年以降の五輪大会のシングルに出場した、どの選手よりも年齢が上だった高橋は、フリースケートで転倒が1度あり4回転ジャンプもなかったが、ショートプログラム(SP)からの2位を守った。世界選手権に向かう宇野からは50点近く離された」と、289.10点で優勝した宇野とは49.48点の差があったことを伝えた。 記事はまた「高橋が国際大会で最後に滑ったのは6位だった冬季五輪ソチ大会で、バンクーバー五輪での日本男子の初メダル(銅)獲得と、世界選手権初制覇を成し遂げてから4年後だった」とブランクを紹介。高橋が、世界選手権で2度の銀メダルを獲得、2006年からソチ五輪までの世界選手権と五輪で8位より上位の成績を収めてきたことを伝え「彼が現在、国際的な成功を収めている日本男子スケート界を先導してきた」と続けた。 加えて「高橋は全日本選手権を5度制し日本のスポーツ選手として最も愛されている選手の1人として誰からも敬愛されてきた」と伝え、2013年の全日本選手権で5位に終わったにもかかわらず、ソチ五輪の代表に選ばれたとき、「会場のファンは涙を誘われた」といったエピソードも紹介している。 フィギュアスケート専門サイトのGoldenSkate.comは「宇野が全日本タイトル3連覇」との見出し記事の中で、「5年の空白の後、全日本のステージに戻ってきた高橋にすべての注目が集まった」と、高橋をクローズアップした。 「大阪で『The Sheltering Sky』の旋律に乗り、デビッド・ウィルソン氏の振り付けで魅惑的なショートプログラムを見せた高橋は、3回転ジャンプを4度、綺麗に着地させ、力強いスピンとフットワークで観衆の声援を受けて、2位となる88.52点を獲得した」と、2位発進となったSPの滑りを報じた上で、続けてフリーの演技をレポートした。 「高橋は、ドラマチックで不気味な『Pale Green Ghosts』にブノワ・リショー氏の振り付けで臨んだフリースケートで4回転ジャンプを再び組み込みたいと言及していた。今週、初めの練習や、6分間のウォーミングアップでは4回転トゥループを何度か成功させていたが、彼はフリーで4回転トゥループを3回転へと急に変更した」 冒頭の4回転が3回転になった点に注目。 「3回転フリップで手をつき、3回転ルッツ+オイラー+3回転サルコウでは転倒。3回転フリップで、両足着地、2本目の3回転フリップで着地を乱すなどミスを重ねた。完璧には程遠かったが、過去に全日本を5度制覇した高橋は代名詞となる芸術性や、円熟ぶりを振り付けや滑りで披露。フリーは151.10点で4位だったが、合計点を239.62点として銀メダルを獲得した」と、演技内容を描写して称えた。