来季開催「前澤杯 MAEZAWA CUP」は“なんでもあり”…10日間のプロアマ戦販売で選手間に広がる波紋
「アイデアはおもしろいですがね……」と言うのはあるツアー関係者だ。 来季の国内男子ツアーは今年と同じ24試合。中でも、新規大会の「前澤杯 MAEZAWA CUP」(4月24日開幕)が早くも選手間で話題になっている。 【写真】低迷する国内男子ツアーどう再建?「世界の青木功」からバトンを受けたJGTO新会長に聞く 実業家の前澤友作氏が手がけるこの大会は、自身のプライベートコース「MZ GC」(千葉・旧デイスターGC)が舞台。出場選手100人で予選カットはなく、賞金総額は国内史上最高額の4億円(優勝8000万円)を想定している。なぜ想定なのかといえば、本戦前のプロアマ戦が10日間もあり、1日最大50組、1組100万円でゴルフファンに販売されるからだ。 10日間すべての枠が売れれば、それだけで売り上げは5億円。その一部が賞金に上乗せされる。一緒にラウンドしたい選手をオークション形式で指名するため、人気選手に指名が集中する一方、まったく声がかからない選手もいるかもしれない。 「選手からは大会の方式を懸念する声が出ています。選手にプロアマ戦の日数制限はないので、カートに乗ってのプレーとはいえ、人気の高い石川遼などは10日間ぶっ通しでプロアマ戦に出て、本戦を迎えることもあり得ます。知名度のない選手はプロアマ戦の貢献度は低くても、優勝すれば最高8000万円の賞金を獲得することができる。そうなれば、プロアマに1週間や10日間も駆り出された選手は、やっぱりおもしろくないでしょう。JGTO(日本ゴルフツアー機構)の倉本副会長は『選手会の理解は得られている』と言ってましたが……」(前出の関係者) JGTOもその点は気にしているものの、試合数の減少傾向が続く中、リスクのある新企画にも乗らざるを得ないのだ。 一方でこんな声もある。 「このアイデアを女子プロツアーの新規参入を考えているスポンサーは真似するんじゃないですか。女子は人気のある選手が多いので、入札は多く、しかも分散される。女子プロは10日間のプロアマなんて賛同することはないでしょうが、賞金額が上がるならプロアマ戦が1日や2日ぐらい増えてもいいという選手はいるんじゃないか」(ある大会の関係者) ともあれ、人気のない男子ツアーは何でもありの時代になったものだ。 ◇ ◇ ◇ 国内男子ツアーの現状は悲惨の一言に尽きる。世界的な評価が下落し、人気低迷ぶりも悲惨の一言に尽きる。日程は虫食い状態で録画放送がはびこり、コースは低レベル。なぜこんな事態に陥ったのか。いったい誰が「元凶」なのか。 ●関連記事【もっと読む】…では、それらについて詳しく報じている。