「100枚の名刺」より「1回の飲み会」を…1年364日会食する編集者が飲み会で本当に目指していること
■お金をかけてもプレゼンスは上がらない プレゼンスを上げたいからといって、お金をかけて高級店で接待をすればいいとは思いません。 もちろん、大事な飲み会でチェーン店の居酒屋を選ぶのは言語道断ですが、プライべートでは絶対に来ないような高級店をセッティングしても、浮足立つだけでかえってマイナスに働く可能性もあります。 高級店で食事をすれば、相手に「あの刺身はおいしかった」といった印象を残すことはできるでしょう。経費を出した会社のプレゼンスは上がるかもしれませんが、あなたのプレゼンス向上につながるとは限りません。 あなたのプレゼンスを上げるには、自分の「姿勢」を見せることがいちばんです。言動や気遣い、マナー、話の内容などで好印象を残すことによって、「この人と仕事をしたい」と思ってもらうことができます。 「お金をかければよい」というのは、昭和のバブル時代の考え方。自分の振る舞いしだいで、それほど高級な店でなくても、あなたにとって晴れ舞台になるはずです。 ■「100枚の名刺」よりも「1回の飲み会」 いくらたくさん名刺を持っていても、それは本物の人脈とは言えません。いわゆる「名刺コレクター」が仕事で結果を出すのはむずかしいでしょう。 しかし、現実には、「名刺交換をすればビジネスパートナーだ」とばかりに、相手にビジネスの話を持ちかけてしまう人は少なくないように感じます。 最近では、SNSが普及して気軽にコンタクトがとれるので、面識さえないのに、いきなり「仕事をさせてください」と気軽に言ってくる人もいます。 たしかに、名刺やSNSはビジネスのきっかけをつくるには便利です。仕事の内容やケースによっては、ビジネスの武器になることもあります。 しかし、これから数百万円、数千万円規模の大きな仕事をしようというときに、名刺やSNS上だけの関係性の中ですべてうまくやろうというのは、私の感覚では「なし」です。 やはり、飲み会など会食のステップを踏み、お互いの距離を近づけるのが大原則ではないでしょうか。 ありきたりな言い方かもしれませんが、メールやSNSなどのデジタルツールだけでは、コミュニケーションは深まりません。 デジタルを使いこなすことは大切ですが、アナログにはアナログのよさがあります。 私はジムで汗を流したあとにサウナに入るのですが、そこでたまたま知り合いに会ったりすると、仕事の話からくだらない下ネタまで大いに盛り上がる。まったく知らない人とも話に花が咲くことがあります。 リラックスしながらサウナで会話をしていると、不思議と話の内容が記憶に残ったり、相手に親近感を抱いたりするものです。 まさに裸の付き合いの効果ですが、ビジネスにおいてもアナログ的な裸の付き合いをすることによって、相手との距離感が一気に縮まります。その絶好の機会が飲み会の席なのです。 ---------- 戸賀 敬城(とが・ひろくに) 編集者、オフィス戸賀代表 1967年東京生まれ。オンラインメディア「J PRIME」編集長、「B.R.ONLINE」顧問を務めるほか、様々なブランドのアンバサダーやコンサルタントとして活動する。2007年から10年ほど男性ファッション誌『MEN'S CLUB』編集長を務め、雑誌不況のなか売り上げをV字回復。定期購読者も約8000人と、他の雑誌ではあり得ない強固な会員組織を作り上げた。ビジネス/プライベートの様子を日々発信しているブログ「トガブロ。」も人気。華やかなライフスタイルとキャラクターが注目を集め、月間平均100万PVを誇る。1年365日中、max364日は仕事の会食で予定が埋まっており、山手線の駅ひとつにつき1店は、会食に使う店リストを持つ。 ----------
編集者、オフィス戸賀代表 戸賀 敬城