14年前の調査捕鯨船妨害、有罪の元船長が供述覆す…拘束中の活動家の関与「はっきりしない」
万が一、ポール・ワトソンが日本に引き渡され、公判が行われるなら、私は証言台に立ってもいいと考えています。日本への入国許可が出ればの話ですが。もちろん、日本の海上保安庁の再聴取を受けてもいいし、望むところです。
私がポール・ワトソンの下にいたのは、2009年7月頃から約1年です(海上保安庁による逮捕は10年3月、有罪判決は同7月)。シー・シェパードでは1年しか過ごせませんでしたが、後に南極海での日本の捕鯨を止めることにつながったという点で、非常に成功した年でした。私は自分が果たした役割を誇りに思っています」
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「日本で判決を受けた後、反捕鯨活動に参加したのは5、6年前に(デンマーク自治領の)フェロー諸島での一度だけです。今はパナマや、主にコスタリカの国立公園の保全活動に協力しています。このインタビューは、船のメンテナンスのために来ているエクアドルで受けています。
取り組むべき環境保全活動はいくつもあり、反捕鯨はその一つに過ぎません。ニュージーランドでウナギの保護活動に取り組もうとしたことがありますが、醜いウナギは好まれず、プロジェクトのために資金を集めるのはとても困難でした。誰もが愛している鯨やイルカを守るためなら、資金は集まります。それが、多くの非営利団体が捕鯨に注力している理由の一つです。
日本で受けた取り扱いに文句はありません。(南極海から日本へ移送される)船では、英語の上手な1等航海士が、とても寛大に扱ってくれて感謝しています。拘置所の職員も、大きな敬意を持って私に接してくれました。検察官は恐るべき人で、これまで出会った中で最も賢く、とても才能のある人でした。できることなら、また彼らに会ってみたい気持ちも持っています。
日本の捕鯨が自国の領海や排他的経済水域(EEZ)にとどまるなら、好ましくはありませんがその権利はあると思います。(ワトソン容疑者らは日本の商業捕鯨船『関鯨丸』を妨害するため北太平洋を目指すと宣言していたが、)ワトソンたちは日本の海域に立ち入るつもりはなかったと聞いています」(聞き手・森田啓文、浜田萌)