14年前の調査捕鯨船妨害、有罪の元船長が供述覆す…拘束中の活動家の関与「はっきりしない」
日本の調査捕鯨船への妨害事件で国際手配されていた反捕鯨活動家ポール・ワトソン容疑者(73)が今年7月、デンマーク自治領グリーンランドで拘束された。14年前、同容疑者の指示で事件を起こしたとして有罪判決を受けた反捕鯨団体「シー・シェパード」元船長のピーター・ベスーン氏(59)が今月、オンラインで読売新聞のインタビューに応じた。 【年表】日本の捕鯨と妨害事件を巡る経緯
ベスーン氏は、捕鯨船側への傷害事件がワトソン容疑者の指示だったとする供述を覆し、現在、容疑者の釈放に向けた弁護活動に協力していると明かした。
ベスーン氏は2010年、日本の捕鯨船に対する傷害、威力業務妨害、艦船侵入などの罪に問われ、東京地裁で有罪判決(懲役2年、執行猶予5年)を受けた。ワトソン容疑者の拘束後、同氏が日本の報道機関の取材に応じるのは初めて。
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「14年前の判決後すぐ、私は『シー・シェパード』とポール・ワトソンの下から離れました。彼には多くの点で賛同できず、好きでもありません。ですが、彼が7月にグリーンランドで拘束された後、2010年の傷害事件当日の出来事について、彼の弁護団にビデオ通話で証言し、釈放に向けて協力しています。
私の傷害罪は、無実だと考えています。それを証明する動画もユーチューブで見ることができます。当時は弁護士費用や公判の長期化を考慮し、弁護士の助言に従って罪を認めました。『誰かを傷つけるつもりはありませんでした』と言って。
『ワトソンが私に命じた』という供述調書がなければ、ポール・ワトソンはこの問題に巻き込まれることはなかったはずです。だから今、彼に協力しています。
艦船侵入については、彼の指示だったと思いますが、はっきりしません。デンマークでは重大な犯罪ではなく、その罪への関与を理由に、日本へ身柄が引き渡されることはないと思います」
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「ポール・ワトソンは73歳で、持病もあります。日本での刑事裁判は、結論が出るまでに長い時間がかかるでしょう。日本へ連れて行くべきではありません。