セビージャ退団のセルヒオ・ラモス「沈む船から逃げ出すわけじゃない。僕はこのクラブを愛しているから復帰したんだ」「移籍先は決まっていない」 | ラ・リーガ
今季限りでセビージャを離れるDFセルヒオ・ラモスは、誇らしい気持ちで心のクラブを去れることを強調した。 昨夏、パリ・サンジェルマンを離れて約20年ぶりにセビージャに帰還を果たしたセルヒオ・ラモス。下部組織から過ごした故郷のクラブでキャプテンマークを巻いた同選手は、公式戦29試合7得点(ラ・リーガ3得点、チャンピオンズリーグ2得点、コパ・デル・レイ2得点)という成績を残して、1シーズンで退団することを決断している。 復帰時にも「ずっと胸につっかえがあった」と語っていたセルヒオ・ラモスは、晴れ晴れとした気持ちでセビージャを離れるようだ。退団会見で次のようにコメントしている。 「9月7日にここに到着したとき、自分には明確な二つの目標があった。それはプエルタとレジェス、そして祖父たちを称えることだ。僕は彼らについて開いた傷を抱えていた。何年も前に退団してからずっと、セビジスモ(セビージャ主義)に対して心残りがあった。僕はピッチで、セビージャを助けられることを示したかったんだよ」 「僕はここにやって来たときと同じく、誠実な抱擁を交わして出て行く。最高のレベルのプレーを見せられたことを誇らしく思い、笑顔で去るよ」 「穏やかな気持ちで、顔を上げてここから去ることができる。自分は1年契約をまっとうした。僕は未来を決める権利を勝ち取っていたんだ。今、自分の人生の中でも美しい日々が終わりを迎える。フットボールをして過ごすようになった、最初の数年間以来の気持ちを感じることができた。セビジスモに交渉の余地はない。本当に光栄なことだったよ」 今季セビージャはチャンピオンズリーグではグループステージで敗退し、ラ・リーガでは残留争いに巻き込まれる停滞ぶりで、来季にはクラブの浮沈をかけたチーム再建に取り組むことになる。そうした重要な局面にあるがゆえに、セルヒオ・ラモスが“泥舟から逃げる”と捉えるセビジスタたちは多いようだ。SNS上では「彼は絶対に戻ってくるべきではなかった」という意見も多く見受けられるが、選手本人はこのことについてどう感じているのだろうか。 「自分はいつだって正面から立ち向かっていく人間であり、沈んでいく船を降りるようなことはしない。僕がここに戻って来たのは、セビジスモと自分の抱える気持ちによってだ。もちろん、あらゆる意見に敬意を払うよ。僕はファンが感じていることも気にしている。でも、全員を納得させることなんてできないんだ」 「退団という決断は簡単には下せない。僕は市場が開いて、まだ間もないうちにここを去る。これならクラブも補強するための時間があるはずだ。クラブとは金について一切話をしなかった。この決断は、個人と家族レベルで下したものなんだよ」 「皆の意見は尊重するよ。決断を下すとき、セビージャがデリケートな状況にあることは意識していた。僕は挑戦に臨むとき、とりわけ逆境に立ち向かうときにモチベーションがあふれるタイプの人間だ。だから、自分の団結心については疑わないでほしい。クラブは難しい状況にあるが、僕たちの愛するセビージャが見られることを願っている。そのためには段階を踏んでいかないといけない」 セルヒオ・ラモスの移籍先にはアメリカが挙げられているが、選手本人は同国に魅力を感じていることを隠さないながらも、まだ何も決まっていないことを強調している。 「僕はNBAの大ファンだし、ルカ・ドンチッチとは素晴らしい関係にある。アメリカは家族のことを考えても、とても素晴らしい国だね。だけど、まだ何も決まってはいないよ」 「未来に何をするのか、まだ検討はしていない。興味深いオファーはあるけど、まだ何をするかは分からないんだ。アメリカは生活のクオリティー的にも惹かれるものがあるよね」