コンビニのトイレを借りるには何か買うのがマナー?「100円のガム」でもOK?
街中を歩いていて急にトイレに行きたくなった経験は誰もがあるのではないでしょうか。 なかには、トイレを借りたいときに毎回コンビニを探している人もいるかもしれません。本記事では、コンビニのトイレを借りるときの「マナー」の必要性を検証しました。 ▼節約のためにトイレを「3回に1回」だけ流すのは危険! 節約効果とデメリットを解説
トイレの維持・管理にはお金がかかる
日本では公共物として利用は無料という認識の強いトイレですが、トイレの維持・管理には当然ですがお金がかかります。意識することはあまりないかもしれませんが、その費用は店舗側が負担しているのです。 では、具体的にどのような費用が発生しているのでしょうか。 ◆水道料金 トイレの維持に必要なお金として、まずは水道料金が挙げられるでしょう。例えば、仙台市水道局の計算によれば水道1リットルの価格は約0.2円です。自治体や年度によって水道料金は異なるため、水道1リットルの価格を0.25円として計算します。 汚物を流すためや手洗いに必要な水量が約40リットルとして、1日につき50人ほどがコンビニのトイレを利用した場合、1ヶ月間の水道料金は約1万5000円となります。1年間で18万円の経費がかかっていることを考えれば、コンビニでトイレを借りる人が何も買わなければ、赤字になることは想像に難くありません。 ◆トイレットペーパー トイレの必需品ともいえるのがトイレットペーパーです。トイレットペーパーの値段はさまざまですが、例えば、店舗の在庫として8ロール入りのパックを1箱(8パックほど)購入する場合は、おおむね5000円以上の出費になります。 一般社団法人日本レストルーム工業会が2016年に行った「温水洗浄便座の使用・不使用によるトイレットペーパーの使用に関する実態調査結果」によれば、1回あたりに使用するトイレットペーパーの長さの平均は0.8mでした。 1日に50人がコンビニのトイレを利用すると仮定すると、1日で40メートルのトイレットペーパーが消費される計算になります。 トイレットペーパー1ロールの長さは一般的には50メートルほどです。つまり1ヶ月間に約24ロールほどが必要となってくるということです。トイレットペーパーだけで1ヶ月に3000円ほどの費用が発生していると考えられますが、トイレットペーパーは盗まれてしまうことも多く、実際はさらに高くなるのではないでしょうか。 ◆清掃用品、人件費 トイレは定期的に清掃しなければならない設備といえるでしょう。清掃用の洗剤やブラシなども、購入は当然店舗の負担となってきます。 またトイレの清掃作業は専門業者などではなく、店舗スタッフが自ら作業しているのが現状です。清掃作業に人員が割かれるうえ、清掃作業自体は利益を生み出すものではないため、費用面でマイナスであると考えるのが妥当です。 またコンビニのトイレは不特定多数が利用するため、清掃作業には感染症リスクが伴います。コンビニのトイレは吐しゃ物などで汚されることも多く、例えば、業務に起因して新型コロナウイルスに罹患した場合は、労災保険給付の対象となります。 従業員が休業している間、コンビニ店舗は人員が不足したまま営業しなければならないこともあり得ます。