花組新トップ永久輝せあ、「羽根の重みズシリと感じた」 東京宝塚劇場でお披露目公演が開幕
宝塚歌劇団の花組新トップコンビ、永久輝せあと星空美咲のお披露目公演「エンジェリックライ/Jubilee」が東京・日比谷の東京宝塚劇場で7日に開幕した。通し舞台稽古後の取材で、二人で目指すコンビ像を「明るく、朗らかに」と掲げた永久輝。「花組の明るさ、自由さの幅をより広げられるように先頭に立って走っていたい」と意気込むと、星空は「そんな永久輝さんが芸事に集中できるよう、私が先陣を切って支えたい」と応じ、息の合ったところを印象付けた。 永久輝は2011年に入団し、雪組を経て19年に花組へ。星空は19年に初舞台を踏んだ。2人は今年5月に退団した柚香光、星風まどかの後任としてトップコンビを組んでいる。 永久輝はトップスターが公演のフィナーレで背負う大羽根について、「歴代の方々から聞いて覚悟していたつもりですが、それをはるかに超える重みをズシリと感じました。それがあるから責任を持って、誰よりも真摯(しんし)に舞台を務める必要があるんだなと自覚しました」と気持ちを引き締めた。 「エンジェリックライ」(作・演出=谷貴矢)は、天界から人間界に落とされた大ほら吹きの天使アザゼル(永久輝)が、トレジャーハンターのエレナ(星空)や、その父親で宝石商のフェデリコ(凪七瑠海)、悪魔フラウロス(聖乃あすか)らと秘宝「ソロモンの指輪」をめぐる騒動を繰り広げるファンタジー色の強い作品だ。 永久輝は「天使というフィクションの部分を担当しているので、最初は戸惑いもあったのですが、フィクションが混ざることによって、現実的なものや人間らしさが強調されてお客さまの胸に届く」と、その魅力を語る。一方、星空は自身の役柄を踏まえ、「親子の愛の温かさを感じる作品なので、それをちゃんとお届けしたい」と話した。 「Jubilee」(作・演出=稲葉太地)は「特別な記念日」という意味で、クラシックの名曲を斬新なアレンジで使い、新トップの誕生と宝塚歌劇110周年を祝う華やかなレビュー。「みんながきらきらして咲き誇っている花組を象徴するような作品」と永久輝。中盤で出演者が客席に降りるシーンもあり、星空は「東京で、どんなふうにお客様と交流できるのか楽しみです」と期待を込めた。 公演は2025年1月19日まで。