「不老長寿の霊薬」タチバナ使った和菓子、上品な苦味に
奈良県内産のタチバナを使った和菓子を同県桜井市の和菓子店「吉方庵」が開発した。「すずなり」と名付け、今月25日頃に発売する予定。
タチバナは日本固有の柑橘類で、古事記や日本書紀で「不老長寿の霊薬」とされた。「奈良の魅力を発信したい」と、タチバナでまちおこしをしている大和郡山市の「なら橘プロジェクト推進協議会」が育てた実を利用し、今年7月から開発に取り組んできた。 タチバナは苦みがあり、和菓子に不向きとされてきたが、「凜とした上品な苦みを生かしたい」と粉を生地に練り込み、しっとりとしたジャムを中に入れた。 包装のデザインは、三輪山や飛鳥などをイメージした。名前は、タチバナの実がすずなりになることに由来する。 同店の鍵谷諒さん(29)は「食べ物にも歴史を秘めた奈良の魅力が広がっていけば」と話している。 1個税込み378円。問い合わせは同店(0744・43・2306)。