第2回リランキングで笑った者・泣いた者 ルーキーが躍進、“セクシー・クイーン”は引退へ
<ミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープン 最終日◇22日◇利府ゴルフ倶楽部(宮城県)◇6638ヤード・パー72> 大粒の涙を流す安田祐香【写真】 今大会終了をもって、国内女子ツアーは『第2回リランキング』が実施される。シーズン中に非シード選手たちの優先出場順位を見直すこの制度。第2回リランキングで30位前後の選手が今シーズン残り6試合(日本女子オープン、TOTOジャパンクラシック、JLPGAツアーチャンピオンシップリコー杯を除く)に出場が可能と見られている。 リランキング上位勢を見ると、ツアー通算2勝の堀琴音(565.59pt)がトップ通過。2位に鶴岡果恋(552.59pt)、3位に小林光希(533.05pt)が続いた。 QTランキング55位で始まった渡邉彩香は、前半戦で予選落ち1度と安定した戦いを続け、第1回リランキングを15位で突破。その後も、8月の「CAT Ladies」で単独2位、今大会も2位タイで終え、リランキング5位(375.91pt)で終盤戦の出場権を獲得した。メルセデス・ランキングは39位とシード復帰も視野に入っている。 ルーキーで躍進を見せたのは、政田夢乃。QTランキング147位で、レギュラーツアー初出場は6月の「リゾートトラストレディス」だった。同大会で8位に入ると、「NEC軽井沢72」での2位タイなど8月にトップ10入りが3回。第2回リランキング14位(310.01pt)で職場を確保した。 同じく新人の菅楓華も“下克上”を果たした一人だ。QTランク104位でシーズンをスタートさせると、デビュー戦の「Vポイント×ENEOSゴルフ」で7位タイ。その後もトップ10入りを2回記録し、第2回リランキングを18位(245.68pt)で突破した。政田がメルセデス・ランキング56位、菅は同64位とともにシード獲得を狙える位置で終盤戦に挑む。 “ボーダーライン”付近の選手を見てみると、ツアー1勝の葭葉ルミが27位(169.45pt)で出場権を確保。23歳の仲村果乃は7月の「大東建託・いい部屋ネットレディス」で6位に入るなど、リランキングは52位(第1回)から30位(151.63pt)に躍進した。 一方で、思うような結果を残せずに“リランキング落ち”した選手もいる。ママさんゴルファーとして奮闘する横峯さくら。今季の最高成績は14位タイと振るわず、リランキング40位(93.98pt)と厳しい位置に。終盤戦は限られた出場数となりそうだ。 “セクシー・クイーン”の愛称で親しまれたアン・シネ(韓国)は、第1回リランキングを26位で突破するも、第2回は41位(82.36pt)にとどまった。終盤戦の全試合出場権を逃し、今大会で“現役引退”を表明した。 今後は『来季のシード権争い』が本格化する。11月の「大王製紙エリエールレディス」終了時点のメルセデス・ランキング上位50位までの選手に来季のシード権が与えられ、51位から55位の選手には 来季の第1回リランキングまでの出場資格が付与される。 翌週は国内メジャー第3戦「日本女子オープン」が開催。4日間大会の公式戦は、3日間大会と比べて2倍のポイントが与えられる。“来季の職場”をかけた秋の陣からも目が離せない。(文・神吉孝昌)