『M-1』でベテラン芸人も舌を巻いた東大卒コンビ・無尽蔵「〝お笑い好きが東大生になった〟だけ」
やま 僕はラバーガールさんがすごく好きですね。特に「大水が出た!」(2016年に行なわれた単独ライブ)あたりの。 野尻 あー、行った俺も! 今でもそのクリアファイル使ってる。僕は三四郎さんですね。ラジオもずっと聴いてたし、やっぱりあの、「戒め」を「破る」と書いて破戒的なネタが衝撃でした。 やま あの頃、めっちゃお笑い見てたなあ。それこそ「『M-1』の準々決勝がGYAO!(ギャオ、動画配信サービス)で見られるらしい」って皆で騒いで。インポッシブルさんとか金属バットさんを見て、友達と「この人たちめっちゃおもしろいぞ!」って話すみたいなね。 野尻 金属バットさんだよね。GYAO!で見てビビったといえば。 やま たぶん、世間的にお笑いがそこまではやってない時代にヘビーなお笑いファンをやっていたと思う。 野尻 そういうふたりなので、これからどれだけお笑いが廃れようが、好きでい続けるんでしょうね。 ■プロになり変わった『M-1』の見え方 ――昨年の『M-1』は3回戦敗退という結果でしたが、その感想は? 野尻 大人に認められたのがうれしかったですね。大学お笑いって、大学お笑いの中で切磋琢磨(せっさたくま)して、その中でカリスマになったりするんです。でも、そんな人たちが実際に事務所に所属して裸一貫でプロとしてやって結果を残せるかっていうのがすごい分水嶺(ぶんすいれい)で。僕らも大学お笑いの中ではおもしろいとされていたけど、プロになった今は大人を納得させないといけない。 『M-1』の予選でいえば審査員のテレビ局の人や放送作家の人たち。で、2回戦では自分たちの中でも自信のあるネタをやったんです。でも、落ちてしまって。「やっぱり大人はわかってくれないのか」と半分腐りかけていたんですけど、その10日後くらいに追加合格して。「審査員は見てくれていたね」と。 やま 「大人は見てたね」と(笑)。僕としては一昨年に1回戦負けしていたこともあって、今年は気合いが入っていたんです。型っぽい漫才をやってみたりとか、同じフォーマットで何本か作ってみたりして。そしたら、周りの芸人に「無尽蔵おもしろいから今年イケるよ」って言われて。 野尻 大学受験でいえばA判定が出てたんですよ。 やま で、学生芸人出身で2回戦進出コンビを集めた『M-1』予選対策ライブもあって、そこで1位になったり。 ――そんなライブが!? 野尻 大学受験でいう模擬試験ですね(笑)。 やま そういう人たちに3回戦に行けたよ、と報告できたのはうれしかったです。 ――一方、視聴者として『M-1』を見た感想は?