内服薬と外用薬、効き目に違いはある? 知っておきたい「鎮痛剤」の基礎知識(専門家が監修)
腰痛や肩こり、スポーツで負ったケガ、飲みすぎた翌日の頭痛、親知らず…生きていくうえで避けては通れない“痛み”。そんな時「薬」は一番の味方になる。でも、あなたは正しく安全に薬を選び、使いこなせているだろうか? ついパッケージで選んでしまうなんてことはよろしくない。恐らく誰もが今後もお世話になる鎮痛解熱剤との付き合い方を、ここでおさらいしておこう。
教えてくれた人:児島悠史さん
こじま・ゆうし/薬剤師、薬学修士。京都薬科大学大学院修了。著書に『薬局ですぐに役立つ薬の比較と使い分け100』『OTC医薬品の比較と使い分け』(共に羊土社)。ブログはこちら
この記事を読む前に
「痛み」には自分でケアできる程度のものもあれば、病院で診てもらう必要のあるものも。単なる「痛み」として軽く捉えると、大事を招きかねないケースは少なくない。薬剤師の児島悠史さんにポイントを聞いた。 「腰痛を例として言えば、おとなしく横になっても痛みが引かなかったり、時間の経過とともに悪化していく人には、内臓疾患が疑われます」 痛む箇所を特定できず、強く押しても痛みの強さに変化がなかったり、尿が出にくくなった、血尿が出たなどというのも内臓疾患が疑われる。 「ピリピリと電気が走るように感じたら、神経障害性疼痛かもしれません。市販薬任せにせず、機会を見つけて受診するのがお勧めです」
よく耳にする「有効成分」の違いは?
市販薬のパッケージでよく見る、有効成分の名前。まず、近年よく耳にしたのが「アセトアミノフェン」。コロナ対策として打ったワクチンの副反応で発熱した人が盛んに利用したのが、これを含む製品だ。 「効果はやさしめですが、その分、小児、妊婦、高齢者も安心して使えます」(児島さん) より強力で速く効くのが「イブプロフェン」や「ロキソプロフェン」。誰しも一度は聞いたことがあるはず。服用は空腹時を避け、多めの水とともに飲むのがよいとされている。 「外用薬では、しっかりした効果を発揮しながらも、副作用の心配がほぼないのがサリチル酸系の成分です。過去に薬でトラブルを起こした経験や、懸念がある人にオススメです」 普段使いの痛み止めに最適だ。 「それより少し効果の強めな成分といえば、インドメタシンとフェルビナクでしょう。さらに強力なのがジクロフェナクやケトプロフェンですが、太陽光を浴びると皮膚に障害を生じる光線過敏症を起こすことがあります。使用する前には“使用上の注意”を必ず読みましょう」