夫が定年で「退職金2000万円」を手にしました。「銀行で投資で増やすようすすめられた」と言っていますが、大丈夫なのでしょうか? 貯めておくほうが安全ではないのですか?
1つの会社で長年働いて支給される「退職金」は、金額が大きいことも多く、老後の人生設計にとって大切な資金となります。 しかし、多くの人にとっては、このような大金を一気に手にする機会はあまりないため、どのように使っていいのか悩ましいものではないでしょうか。金融機関などから投資を進められると、さらに迷ってしまう人もいるかもしれません。 そこで本記事では、60歳で退職金2000万円が支給された際に、投資に回すべきなのか解説します。また、2000万円の使い道の例についても紹介しますので、ぜひ参考にしてください。 ▼定年退職時に、「1000万円」以上の貯蓄がある割合は日本でどれくらい?
退職金2000万円は投資に使うべきなのか?
退職金2000万円を投資に使うかどうかは、老後資金の準備状況や今後の働き方、予定される年金受給額、思い描く老後の生活など、個人の資産状況や生活の趣向によって変わります。 また、退職金のうちどれくらいを投資に充てるかについても、一概には結論づけられません。退職金を原資とした投資に失敗すると、若い人に比べ損失を取り戻す時間が少なく、老後の生活への影響が大きくなってしまいます。 一方、投資や資産運用をおこなわないことにもリスクがあります。例えば、退職金を全て貯蓄に回せば、元本割れしないかわりにインフレなどで実質の資産価値が下がり、資産が目減りしてしまうリスクがあるでしょう。 十分な老後資金を確保し、生活費を上回るような年金を受給できる人は別ですが、老後資金に不安があれば、資産を長持ちさせるため投資が必要かもしれません。多くの人が年金だけでは生活費を賄えず、インフレが顕在化している昨今の状況を考えれば、投資を含めた資産運用の重要性はさらに増すとも考えられます。 退職金を投資に回す場合は、長期・分散・積立の手法を基本としつつ、資産全体では預貯金や債券といった安全資産の比重を増やすなど、リスクを抑えた運用が必要です。60歳だと長期の投資は難しいと考えがちですが、認知症リスクを考慮しても75歳ぐらいまで15年程度の投資期間は確保できるのではないでしょうか。