上川隆也、パーフェクトな執事がハマり役 家族で観られる安定感あるドラマ
上川隆也の主演ドラマ『執事 西園寺の名推理』(テレビ東京系、金曜よる8時)が13日から始まった。上川演じる“パーフェクトな執事”西園寺一の名推理と活躍ぶりが早くも評判だ。 【連載】新ドラマレビュー<18年春>
幅広い年齢層を狙う、安定感のあるミステリーエンターテインメント
同作はテレビ東京としては異例の視聴率2ケタ台をマークした人気シリーズ『三匹のおっさん』と同じゴールデン帯の放送になる。一昔前なら、サラリーマンも会社から帰宅し、週末の夜のひとときを家族で楽しんでいる、そんな時間帯だ。個人の趣向や行動が多様化した現在、金曜8時の団らんはまだ生きているだろうか。もし生きている家庭があるなら、一緒に謎解きを楽しむのに打ってつけといえる痛快ミステリーエンターテインメントだ。 共演陣の顔ぶれも、幅広い年齢層を狙ってか世代のレンジが広い。西園寺を雇っている優雅で上品な資産家の“奥様”、伊集院百合子役は八千草薫。新米執事役に浅利陽介、メイド役に岡本玲、ベテランメイド役に池谷のぶえ。さらに、里見浩太朗や古谷一行、佐藤二朗もそれぞれの持ち味を出して味わい深い演技を見せつけてくれる。
登場人物は謎だらけ 上川のパーフェクトな執事はハマり役
第1話は、有名パティシエを殺した透明人間の謎を解決する。西園寺と百合子はある日、ホテルセンチュリートーキョーの最上階で開かれるスイーツコンテストへ向かった。このホテルは百合子の亡き夫・光弥(里見)の御用達で、乙坂賢太郎(おかやまはじめ)が支配人を務める。コンテストに参加する3人のパティシエは、テレビで人気の「スイーツ王子」こと錦野省吾(西村和彦)、人気スイーツ店の代表パティシエ・青木俊彦(葛山信吾)、そしてフランス人で世界屈指の実力派・ピエール・パパン(ジリ・ヴァンソン)だ。 百合子は、会場で両親亡き後に支援した香澄(内山理名)と再会。現在は、人気スイーツ店の青木の店のマネジメントをしている。しかし、香澄は青木と揉め事があったらしく気まずい間柄になっていた。その青木は、世界的に有名な菓子メーカーの令嬢・後藤美幸(今村美乃)と親密になっていた。そんな状況の青木をうらやらましがる錦野。そして助手・水野修平(水澤紳吾)の姿もあった。各自がそれぞれバックヤードに戻り、コンテスト開始直前に事件が発生。1階の備品倉庫で錦野の刺殺体が発見される。ストーリーの展開はテンポよく飽きさせない。 ドラマは、謎を残したままスタートしている。西園寺が執事になる前、どんな仕事をしていたのかは誰も知らない。そして数々の事件に首を突っ込んでは、その真意を解決せよと西園寺に依頼する奥様・百合子も、なぜそこまでするのか。他界した百合子の夫・光弥とは何者なのだろうか。西園寺の前身を知っているらとおぼしき、元・警察庁長官で大物政治家の大川龍之介(古谷)とは? ラストまでにすべての真相が明かされるのだろうか? 落ち着いたたたずまいの上川の執事役はハマり役といえる。 次も観たい度★★★★☆ (文・田村豊、写真・志和浩司)