BMWグループ、ブレーキ不具合で業績下方修正 150万台に影響 事故の報告はなし
リコール対応で台数減と保証費用支払いの可能性
ドイツのBMWグループは、2024年通期の販売台数の減少を見込み、業績を下方修正した。全世界で150万台以上に影響を及ぼしているブレーキの不具合に対処するためだ。 【写真】ミニの「クロスオーバー」が大きく進化した!【新型ミニ・カントリーマンを写真で見る】 (18枚) サプライヤーのコンチネンタル社が設計・供給し、BMWとミニの複数のモデルで採用している統合ブレーキ・システム(IBS)に欠陥が見つかった。IBSは、ブレーキペダルから得られる感触(踏み心地)とフィードバックを制御するシステムだ。 この問題で今年初めにBMWグループの8万台以上の車両に影響が及び、リコールが行われたが、「当初のリコール範囲外の追加事例が確認された」ため対象範囲が拡大された。 2022年6月から現在までに生産された対象モデルでは、アンチロック・ブレーキ・システム(ABS)とスタビリティ・コントロール・システム(SCC)に不具合があり、ブレーキアシストが機能しなくなる可能性があることが判明した。 BMWグループは、顧客の手元にある車両とまだ納車されていない車両を合わせて、世界中で150万台以上に交換が必要な欠陥部品が装着されていることを認めた。車両はすべて安全に運転することができ、世界でIBSに関連した事故の報告は受けていないとしている。 IBS関連の「技術的措置」の結果、今年のグループ全体の販売台数は、昨年の255万5341台と比較して「若干の減少」を見込んでいる。当初はわずかな増加を予想していた。 台数減に加え、「3桁万ドル台後半」の保証費用の支払いが見込まれることから、グループの利益率は従来の8~10%から6~7%に低下すると予想している。 この発表を受けてBMWの株価は8%下落し、コンチネンタル社の株価も9月10日に9%下落した。 BMWグループはAUTOCARに寄せた声明の中で、次のように述べている。 「2024年2月、BMWグループはBMWのさまざまなモデルを対象に統合ブレーキ・システムの安全性に関するリコールを発表しました。このたび、当初のリコール対象範囲外の追加事例が新たに確認されたため、この措置をさらに拡大し、BMWとミニのモデルを追加しました」 「社内の品質管理により、ごくまれにブレーキ・システムの電子機器に信号干渉が発生する可能性があることが判明しました。これは、減速時にブレーキペダルを通常より強く踏む必要があるということです。また、ABSやダイナミック・スタビリティ・コントロールなど、他のブレーキ制御機能にも影響します」 「この問題が発生しても、ブレーキをかけることは常に可能であることをここに強調します」 BMWグループはまた、最大の市場である中国での需要が伸び悩んでいることを台数予想の修正要因の1つとして挙げ、「主要市場全体で継続する競争状況」が二輪車部門のBMWモトラッドの業績を圧迫していると述べた。 今年第3四半期が最も大きな影響を受けると予想している。同社は11月6日に詳細を発表する予定である。
フェリックス・ペイジ(執筆) 林汰久也(翻訳)