“天の川銀河の恒星” だと思われていた天体、実は史上最も明るいクエーサーだったと判明!
■異様に明るいクエーサーは他にもあるかもしれない?
今回の研究で、J0529-4351は「観測史上最も明るいクエーサー」の座を保持することになりましたが、トップの座を維持するのは短期間だけかもしれません。なぜなら、今回の発見を踏まえると、J0529-4351の他にも異様に明るいために誤ったラベル付けをされたクエーサーが多数眠っている可能性があるからです。膨大な天体を記録した掃天観測カタログは複数あります。こうしたカタログに対して J0529-4351のような外れ値を持つ天体を見つける手法で探索すれば、明るいクエーサーがもっとたくさん見つかるかもしれません。 J0529-4351は既に天体カタログにデータ付きで掲載されており、かつ人の目で見ても異常な性質を持つことから、クエーサーと確定するための研究がスタートしました。今回の研究が将来的に参照される際には、単に特別明るいクエーサーを1個発見しただけではなく、さらに多くの明るいクエーサーを見つけるきっかけになった、という評価がされるかもしれません。 Source Christian Wolf, et al. “The accretion of a solar mass per day by a 17-billion solar mass black hole”. (Nature Astronomy) Christian Wolf, et al. “Brightest and fastest-growing: astronomers identify record-breaking quasar”. (ESO)
彩恵りり