ウクライナの国旗

　国連人口基金（ＵＮＦＰＡ）は２２日、ウクライナの人口が２０２２年２月のロシアの侵略開始以降、約８００万人減少したとの推計を発表した。ロシアがウクライナ南部クリミア半島を一方的に併合した１４年以降では１０００万人以上減少したとしている。

　ＵＮＦＰＡによると、侵略開始前から、低出生率や人口流出、少子高齢化の問題を抱えていたが、ロシアの侵略で拍車がかかった。戦闘による犠牲の拡大に加え、国外に逃れた避難民が約６７０万人に上り、出生率も世界最低水準に低下したという。ウクライナでは０１年を最後に国勢調査が行われておらず、人口動態の詳細が不明だ。世界銀行の統計では２１年時点の人口は約４３８０万人だった。

　ＵＮＦＰＡ東欧・中央アジア地域事務所のフローレンス・バウアー代表は２２日、スイス・ジュネーブで記者会見し、「ウクライナの復興と将来の建設に必要な人的資本の大きな損失だ」と危機感を示した。