F1メカ解説|発表された”ステークF1”のニューマシンC44……サスペンションやロールフープ、サイドポンツーンが大変更。躍進なるか?
■サイドポンツーンはさらにレッドブル型に?
サイドポンツーンは、C43の時点ですでにトレンドとも言えるダウンウオッシュタイプを採用していた。C44もこれを踏襲。サイドポンツーン上面のエンジンカウルに近い側が少し窪みを持っており、気流の流路を確保している。 過激な変更点は、その前端にある。サイドポンツーンの開口部は形状がより横長となり、下端が前方に伸ばされた。これによって、サイドポンツーンに激しいアンダーカット(抉れ)が設けられた。この結果、サイドポンツーンとフロアの間に多くのスペースが確保され、マシン後部へ多くの気流を送ることになった。シーズン中にもどんどん開発が進んでいく領域であろう。
■エンジンカウルは昨年型を踏襲?
エンジンカバーの形状は、昨シーズン終盤に使われたモノと同様。引き続きカウルには段差が設けられており、ここでも後方へ向かう気流をコントロールしている。またカウル後端の冷却用開口部も、昨年に続き下に向けられている。 フロアのエッジウイングは、昨年のモノとは既に異なっているようだ。前方の部分には、昨シーズン中にメルセデスなどが使った、ストレーキを用いて複数のトンネル状の気流流路を設ける形になっている。
■フロントウイングには細かい工夫が?
フロントウイングとノーズも、基本的には昨年のモノと同じようだ。しかし翼端板とフラップの接続部、昨年は切り欠きだった部分には、縦方向のフラップ状の部分が突き出すようになっている。メルセデスやハース、レッドブル、フェラーリといったチームは、この部分に小さなウイングレットを設けていたが、これに似ているかもしれない。 このフラップは、間違いなくアウトウオッシュを生むためのパーツのひとつだろう。
■リヤウイングはどうなる?
リヤウイングは、昨年のC43から引き継がれており、翼端板にはスウェッジラインが存在。ただテストや開幕戦には、まったく異なるモノが取り付けられる可能性がある。
Matt Somerfield