ギラギラ感、責任感を持つU-17日本代表が2連勝。交代出場組の2発で広島県高校選抜U-18を2-0で撃破
[8.10 Balcom BMW CUP第2節 広島県高校選抜U-18 0-2 U-17日本代表 サンフレッチェビレッジ広島第一球技場] 【写真】「可愛すぎて悶絶」「金メダル」「新しいジャケ写かと」大物歌手が日本代表ユニ姿を披露 U-17日本代表が2連勝。「HiFA 平和祈念 2024 Balcom BMW CUP 広島国際ユースサッカー」は10日、第2節を行い、広島県高校選抜U-18とU-17日本代表が対戦。U-17日本代表が2-0で勝った。 ともに2日前の初戦で白星スタートを切った2チームの戦い。U-17日本代表は2-1で逆転勝ちした広島ユース戦から先発6人を変更した。いずれも高校2年生の11人でGK大亀司(横浜FCユース)、右SB佃颯太(横浜FCユース)、主将のCB森壮一朗(名古屋U-18)、CB秦樹(横浜FCユース)、左SB咲本大(近大附高)、ダブルボランチが福田武玖(徳島ユース)と今井健人(東京Vユース)、右SH山口豪太(昌平高)、初戦で決勝点の左SH杉浦誠黎(湘南U-18)、トップ下が末宗寛士郎(岡山U-18)、最前線に長疾風(鹿島ユース)が入った。 一方、広島県高校選抜U-18は広島県内の高体連選抜チーム。初戦でウズベキスタン代表U-17に4-0で快勝し、この日はU-17日本代表に挑戦した。先発はGK田平悠斗(瀬戸内高2年)、右SB有田圭佑(広島観音高3年)、CB日野銀刀(瀬戸内高3年)、CB白水陽(瀬戸内高3年)、左SB折出勘太(広島皆実高2年)、ダブルボランチが松本大輝(瀬戸内高3年)と迫田提亮(広島皆実高3年)、右SH竹田修翔(広島国泰寺高3年)、左SHがゲーム主将の山本寛太(瀬戸内高3年)、前線は長村星波(瀬戸内高3年)と上岡士恩(瀬戸内高3年)がコンビを組んだ。 U-17代表は初戦の前半、広島ユースに主導権を握られる時間が長かったが、この日は守備から安定した入り。だが、相手の長身CF上岡に起点を作られ、長村の個人技に前進を許すシーンが増えてしまう。 前半13分、広島県選抜は長村がPA付近で奪い返してチャンス。16分には松本のループパスで上岡が抜け出し、右足シュートを放つ。直後にも長村の奪い返しから山本がフィニッシュで終えた。 ただし、シュートはいずれもU-17代表GK大亀が落ち着いて処理。逆にU-17代表は福田のスルーパスから長が右足シュートを放ち、咲本の縦パスから杉浦が一気にPAへ切れ込む。19分にはCB森がDFラインからボールを運び、福田、山口との連係から敵陣PAへ抜け出してラストパス。この日は山口、杉浦の両ワイドが特別な突破力を発揮し、それぞれ2度3度とPAへ切れ込んで見せた。 だが、広島県選抜はクロスをCB日野が確実に弾き返していたほか、相手のドリブルにも最後までついていき、決定打を打たせない。また、松本、長村を軸としたビルドアップで攻め返して見せる。 U-17代表は34分、流れの中でボランチの位置にも入ってプレーしていた右SB佃の縦パスから山口が右サイドを抜け出してクロス。これを末宗が右足で狙うが、広島県選抜CB日野がブロックし、チームを鼓舞する。U-17代表はポジショニングを意識した守備に加え、タフに戦う福田や今井が球際で奮戦。ボールを奪うと速攻に加え、咲本、佃の両SBもボールを運んで分厚い攻撃を繰り出すなど相手にプレッシャーをかける。だが、広島県選抜も山本や迫田らが球際で一歩も引かずに対抗し、前半を0-0で終えた。 U-17代表は後半開始から、福田、末宗、長をMF和田直哉(浦和ユース)、シャドーの中積爲(G大阪ユース)、CF大石脩斗(鹿児島城西高)と入れ替える。すると4分、今井のサイドチェンジから左タッチライン際で咲本が繋ぎ、前半から脅威になっていた杉浦が相手DF2人を剥がしてドリブルで一気に前進。そして、PAへのスルーパスで大石が抜け出し、ニアを抜く形で左足シュートを叩き込んだ。 大石が交代出場で流れを変えた初戦に続いて躍動し、先制点をもたらした。そのU-17代表は8分にも山口のループパスで大石が抜け出し、GKと1対1に。これは広島県選抜GK田平に止められ、左ゴールライン際を個で攻略した杉浦の右足シュートも阻まれた。広島県選抜は、後半開始から投入されたMF木村悠哉(広島皆実高3年)の推進力がアクセントに。だが、後半は前線へのボールを相手の森、秦の両CBに封じ込まれてしまう。 U-17代表は19分、佃の縦パスを大石が右サイドで収め、直前に山口と交代したばかりのMF土居佑至(清水ユース)が鋭いカットインでPKを獲得。これを自ら左足で決め、2-0とした。鋭い動きの光る土居、奪い返しで貢献した和田、前線でセカンドボールを狙い続けた広島ユースとの初戦に続き、交代出場組が奮闘。大半の選手が一定以上の出場時間を得ている中、良いパフォーマンスができている選手ばかりではない。だが、朝岡隆蔵監督(ふたば未来学園高)は「(ギラギラしたものを)持ってなきゃいけないし、ある意味ありますよ。(各選手が)ちゃんとやんなきゃなっていうのも自分でも自覚してるし、また次に期待したい」と選手たちの立ち振舞を評価し、期待感を口にする。 「いつもと違う環境とかやり方の中でも発揮できないといけないよ、ってところからスタートしているので。その中でちょっと今ジャストさせられてない子もいるかもしれないけど、そこはあと1試合で、(全員に与えられるチャンスの中で)輝いて欲しいなと思います」(朝岡監督)。 広島県選抜は右SB佐々木喬胤(広島皆実高3年)、左SH武田直大(瀬戸内高3年)を投入。U-17代表は攻撃面でロングボールが増えてしまったが、今井や佃が巧みにボールを奪い返していたほか、森、秦の両DFやGK大亀中心に集中した守りを継続する。終盤に杉浦とMF木村有磨(履正社高)、秦と左SB小浦拓実(福岡U-18)を入れ替え、咲本をCBに回して2-0で試合を締めた。 2007年生まれ世代のU-17代表はこの後、9月に国際ユースサッカーin新潟、11月に海外遠征が予定されている。今回の活動でアピールし、次回以降の代表活動に呼ばれることや“飛び級”して年上の世代の代表チームに食い込むことも目標だ。 森は「(チーム内に)ポジションを被ってる選手がやっぱいるんで、絶対そこに勝つっていうのは、(みんな)1つモチベーションになってると思います。チーム内でも競争がありますし、そこで自分の色を出すっていうのは全選手思っていると思います。でも、代表チームっていうことで勝つことが求められるんで、チーム一丸となってやっている」。初招集組が多く、合流当初は大人しかったという選手たちも刺激を受け、試合を重ねながら自分を表現してきている。今大会は11日のウズベキスタン代表U-17戦がラストゲーム。絶対条件の4連覇とともに、飛躍したいというギラギラ感を持つ才能たちはチャンスを掴んで大会を終える。